2024/10/21〜2024/10/27までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ

2024-10-26

目次

はじめに

 

10月第4週のAWSアップデートを振り返ってみました!

 

可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!

 

ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!

アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)

 

Compute系

 

★★★LambdaコンソールがCode-OSSに基づくコードエディタをサポート

 

Compute: Lambda

Lambdaコンソールで、Code-OSS(オープンソースVS Code)に基づくコードエディタが利用可能になりました!
VS Codeに似たUIでLambda関数を記述でき、Amazon Q DeveloperやAWS Toolkitなどの拡張機能にも対応しています。

AWS Lambda console now features a new code editor based on Code-OSS (VS Code – Open Source)

公式ブログ:

Introducing an enhanced in-console editing experience for AWS Lambda

DevelopersIO記事:

[アップデート] AWS Lambda コンソールのコードエディタが Visual Studio Code ベースでリニューアルされました

 

★★EFAがENAから独立したインターフェースタイプをサポート

 

Compute: EFA

AI/MLワークロード向けのElastic Fabric Adapter(EFA)をElastic Network Adapter(ENA)から分離するインターフェースタイプがリリースされました!
EFAのスケーリング時に追加のプライベートIPv4アドレスを割り当てなくなるため、IPv4の枯渇やルーティングの問題に影響されなくなります。

AWS announces EFA update for scalability with AI/ML applications

 

★★EC2 Image BuilderがmacOSをサポート

 

Compute: EC2

EC2 Image BuilderのベースイメージにmacOSが利用できるようになりました!
カスタマイズされたmacOSイメージを配布することで個別のセットアップを省略でき、最新版への移行も容易となります。

EC2 Image Builder now supports Apple macOS

 

★★BottlerocketがNVIDIA GPU Time-slicingをサポート

 

Compute: Bottlerocket

コンテナ向けLinux OSのBottlerocketがNVIDIA GPU Time-slicingに対応しました!
コンテナで実行されるAI/MLワークロードにおいて、GPU処理時間をスライス分割して複数タスクにて共有することで、効率的にGPUリソースを活用できます。

NVIDIA GPU Time-slicing Now Available for Bottlerocket to Enhance AI/ML Workload Efficiency

 

★LambdaがJavaランタイムでカスタムシリアライザーをサポート

 

Compute: Lambda

Javaを使用したLambdaにて、デフォルトのJavaオブジェクトシリアライザーを置き換えられるようになりました!
デフォルトのLambdaシリアライザーに渡されたイベントの形式が対応していない場合に、シリアライザーを置き換えることで適応させられます。

AWS Lambda now supports using a custom serializer with Java runtimes

 

★Research and Engineering Studioがバージョン2024.10をサポート

 

Compute: Research and Engineering Studio

Research and Engineering Studioのバージョン2024.10がリリースされました!
仮想デスクトップインスタンスの自動停止、プロジェクト単位のホームファイルシステムの割り当て、ファイルブラウザのアクセス制御、DVC権限カスタマイズなどが含まれています。

Research and Engineering Studio on AWS Version 2024.10 now available

 

Containers系

 

★★ECSがApplication Signalsによる拡張モニタリングをサポート

 

Containers: ECS

ECSでホストされたアプリケーションを、CloudWatch Application Signalsでモニタリングできるようになりました!
トレースとログの相関に加えてECSインフラストラクチャのメトリクスを含められ、アプリケーションのパフォーマンスを包括的に監視できます。

Enhanced Monitoring for applications hosted on Amazon ECS via Application Signals

 

★★EKSエンドポイントがIPv6をサポート

 

Containers: EKS

EKSクラスターのEKS管理APIエンドポイントとKubernetes APIサーバーエンドポイントがIPv6に対応し、デュアルスタックで利用できるようになりました!
PrivateLinkにも対応し、システムとアプリケーションを徐々にIPv4からIPv6へ移行することが可能です。

Amazon EKS endpoints now support connectivity over Internet Protocol version 6 (IPv6)

 

★★EKSがApplication Recovery Controllerをサポート

 

Containers: EKS

EKSがApplication Recovery Controller(ARC)に対応し、ゾーンシフトとゾーンオートシフトを行えるようになりました!
マルチAZでEKSアプリケーションを実行している際、クラスター内で障害が発生したAZから正常なAZへ素早く切り替え、可用性の問題を軽減します。

Amazon EKS now supports Amazon Application Recovery Controller (ARC)

 

Database系

 

★★★Aurora Global Databaseがライターエンドポイントをサポート

 

Database: RDS

Aurora Global Databaseにライターエンドポイントが追加されました!
クロスリージョンデータベースにおけるスイッチオーバーまたはフェイルオーバー時に自動でライターインスタンスを指すエンドポイントで、アプリケーションコードを変更せず利用を継続できます。

Amazon Aurora launches Global Database writer endpoint

 

★★Aurora Global Databaseがグローバルクラスターへのタグ付けをサポート

 

Databse: RDS

Aurora Global Databaseにて、グローバルクラスターへタグ付けできるようになりました!
用途に応じてインスタンス単位、クラスター単位、グローバルクラスター単位でタグ付けが可能となったため、より詳細なコスト分類と管理を行うことができます。

Amazon Aurora Global Database support for tagging global clusters

 

★★Redshiftがクエリの拡張モニタリングと診断を行うクエリプロファイラーをサポート

 

Database: Redshift

Redshiftで、クエリのモニタリングと診断を強化する新機能であるQuery Prifilerがリリースされました!
コンソール上でクエリを詳細に調査し、クエリパフォーマンスのボトルネックを特定可能で、クエリ最適化を簡単に行えるようになります。

Amazon Redshift launches query profiler for enhanced query monitoring and diagnostics

DevelopersIO記事:

[新機能] Amazon Redshift Query Profilerを試してみました

 

★★DMSがCLI/SDK/APIでの同種移行をサポート

 

Database: DMS

DMSが同種移行をCLI, SDK, APIで行えるようになりました!
オンプレミスからRDSへの移行などでソースとターゲットが同等なデータベースにおいて、プログラム的に自動化されたデータ移行をサーバーレスで開始することができます。

AWS DMS now supports homogeneous migrations via CLI, SDK and API

 

★Timestream for LiveAnalyticsがQuery Insightsをサポート

 

Database: Timestream

Timestream for LiveAnalyticsにおけるクエリ実行の詳細を確認可能なQuery Insightsがリリースされました!
大量の時系列データを取り込んで分析する際のクエリ最適化を支援し、パフォーマンスの強化とコスト削減を実現します。

Amazon Timestream for LiveAnalytics introduces Query Insights

 

★RDS for OracleがAPEX 24.1をサポート

 

Database: RDS

RDS for Oracle 19cおよび21cが、Application Express(APEX)バージョン24.1に対応しました!
AIによるWebアプリケーション開発支援機能など、多数の新機能や機能拡張が行われています。

Amazon RDS for Oracle now supports Oracle Application Express (APEX) Version 24.1

 

★RDS Custom for SQL ServerがWindows認証をサポート

 

Database: RDS

RDS Custom for SQL Serverが既存のActive Directory(AD)を使用したWindows認証に対応しました!
DBインスタンスをManaged Microsoft ADまたは独自のADに参加させ、一元化されたAD認証情報でRDS Customへアクセスできるようになります。

RDS Custom for SQL Server now supports Windows Authentication

 

Integration系

 

★★MWAAが簡素化されたAirflow REST APIとのやり取りをサポート

 

Application Integration: MWAA

Managed Workflows for Apache Airflow(MWAA)によるAirflow REST APIとのやり取りが簡素化されました!
AWS Signature Version 4(SigV4)に対応し、AWS認証情報でのやり取りが可能となったことで、ワークフローの自動化が促進されます。

Amazon MWAA now simplifies interaction with the Airflow REST API

公式ブログ:

Introducing simplified interaction with the Airflow REST API in Amazon MWAA

 

Security系

 

★★IAM Identity Centerが単一IDコンテキストによる伝播をサポート

 

Security, Identity, & Compliance: IAM Identity Center

IAM Identity Centerを使ってアプリケーションからAWSへアクセスする際、単一のIDコンテキストで伝播できるようになりました!
サービスへのアクセスとユーザーIDへの記録に異なるIAMロールセッションを使用する必要なく、ID伝播によりユーザーアクセスを承認できます。

AWS IAM Identity Center simplifies calls to AWS services with single identity context

 

★★Firewall Managerが既存のWAF WebACLのRetrofitをサポート

 

Security, Identity, & Compliance: Firewall Manager

Firewall Managerが、既存のWAF WebACLに対するRetrofitが行えるようになりました!
ルールに非準拠のリソースにアタッチされたWebACLを再作成せず、ルールセットを追加して準拠させることで、IaCなどのデプロイを保持したまま一元的な管理が可能です。

AWS Firewall Manager now supports retrofitting of existing AWS WAF WebACLs

DevelopersIO記事:

[アップデート] AWS Firewall Manager で AWS WAF のポリシー準拠を適用する時に、既存 Web ACL を活用できるオプションが追加されました

 

Management系

 

★★CloudWatch Logs Anomaly DetectionとPattern Analysisが改善とクォータ増加を実施

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatch Logs InsightsのAnomaly DetectionとPattern Analysisが改善されました!
パターンコマンドとdiffコマンドに名前付きトークンが付与でき、分析時の識別が容易となったほか、Anomaly Detectionのデフォルトクォータが10から500に増加しています。

Announcing increased quotas and improvements to CloudWatch Logs Anomaly Detection and Pattern Analysis

 

★★myApplicationsがResiliencyウィジェットをサポート

 

Management & Governance: Management Console

マネジメントコンソールのmyApplicationsにResiliencyウィジェットが追加されました!
myApplicationsで定義された構造に従ってResilience Hubがアプリケーションの複製と回復力評価を自動で行い、簡単に洞察と推奨アクションを得ることができます。

Announcing the new Resiliency widget on myApplications

DevelopersIO記事:

[アップデート] myApplications で AWS Resilience Hub と統合するための「耐障害性ウィジェット」が使えるようになりました

 

★★Console Mobile Appがシームレスリンクをサポート

 

Management & Governance: Console Mobile App

コンソールのモバイルアプリケーションがシームレスリンクに対応しました!
メールなどのテキストに含まれるAWSのサービスやリソースへのリンクをアプリケーションから開けるようになり、外出先などからリソースを素早く簡単に確認できます。

AWS announces a seamless link experience for the AWS Console Mobile App

DevelopersIO記事:

[アップデート] AWS コンソールモバイルアプリが Universal Links/App Links をサポートし URL からサービス/リソース画面に直接遷移出来るようになりました

 

★Launch Wizard for SAPがSystems Manager for SAPとの統合を強化

 

Management & Governance: Launch Wizard

Launch Wizard for SAPとSystems Manager for SAPとの統合がより充実されました!
Launch Wizardプロセス中にSAP HANAとNetWeaverをSystems Managerに登録でき、AWS BackupによるSAP HANAのバックアップスケジュールなどが行えるようになります。

Streamlined SAP application management with AWS Launch Wizard and AWS Systems Manager integration

 

Analytics系

 

★★Managed Service for Apache Flinkが秒単位の課金をサポート

 

Analytics: Managed Service for Apache Flink

Managed Service for Apache Flinkの課金が1秒単位(アプリケーションごとの最低料金10分)となりました!
既存のアプリケーションにも適用され、より柔軟でアプリケーションの利用が行えます。

Amazon Managed Service for Apache Flink now supports per second billing

 

Machine Learning系

 

★★★Bedrockで新しいClaude 3.5 SonnetとCompute useがサポート

 

Machine Learning: Bedrock

ベンチマークパフォーマンスが向上したAnthropicの新しいClaude 3.5(v2)がオレゴンリージョンのBedrockで利用可能になりました!
併せてComputer useもパブリックベータでリリースされ、Claudeにコンピュータ画面を認識させ操作するよう指示できます。

Anthropic’s upgraded Claude 3.5 Sonnet model and computer use now in Amazon Bedrock

公式ブログ:

Upgraded Claude 3.5 Sonnet from Anthropic (available now), computer use (public beta), and Claude 3.5 Haiku (coming soon) in Amazon Bedrock

 

★★★BedrockがCustom Model Importをサポート

 

Machine Learning: Bedrock

プレビューとなっていたBedrockのCustom Model Importが、バージニア北部とオレゴンでGAとなりました!
Meta Llama, Mistral/Mixtral, Flan, Graniteなどのモデルをインポートし、サーバーレスとして安価に利用が可能です。

Amazon Bedrock Custom Model Import now generally available

公式ブログ:

Amazon Bedrock Custom Model Import now generally available

 

★★Amazon Q BusinessがCloudWatch Logsとの統合と分析ダッシュボードをサポート

 

Machine Learning: Q Business

Amazon Q BusinessがCloudWatch Logsとの統合と分析ダッシュボードをリリースしました!
ユーザーとのチャット内容およびフィードバックがLogs/S3/Data Firehoseで利用可能となったほか、ユーザーとの会話やクエリといった情報をメトリクスとして確認できるようになります。

Gain deeper insights into Amazon Q Business with new analytics and conversation insights

 

Business系

 

★★Amazon Connectが画面共有をサポート

 

Business Applications: Connect

Amazon Connectが、エージェントと顧客とのウェブ通話およびビデオ通話で画面共有機能を利用できるようになりました!
特定のWebページのみの制限が可能で、セキュアに画面を共有しながら、顧客への案内や問題解決を促進できます。

Amazon Connect now offers screen sharing

 

★★Amazon ConnectがiOSとAndroidのアプリ内チャットを実現するSDKをサポート

 

Business Applications: Connect

iOSとAndroid向けのAmazon Connect Chat SDKが提供されました!
事前構築済みコンポーネントを利用したアプリ内チャットを実装し、シームレスなオムニチャネル体験を提供することで、顧客と運用の両方で利便性を向上させます。

Amazon Connect launches iOS and Android Chat SDKs to support in-app chat experiences

 

★★SESがAutoTags内の送信メッセージでTLSバージョンの提供をサポート

 

Business Applications: SES

SESがメールを送信するために使用したTLSバージョンを、自動タグで確認できるようになりました!
ses:outgoing-tls-versionが追加されるようになり、最新のTLSバージョンに対応しないプロバイダへメール送信する際のTLSバージョンが把握できます。

Amazon SES now provides TLS Version for Outgoing Messages within AutoTags

 

Migration系

 

★Mainframe Modernizationがマネージドランタイムの新しい統合をサポート

 

Migration & Transfer: Mainframe Modernization

Mainframe Modernizationにて、マネージドランタイム環境に複数の新しい統合が追加されました!
LRS VPSX Enterpriseによる印刷管理、LDAP/AD認証、EC2 M7iインスタンス、AWS Healthイベントとの統合が含まれ、ワークロードの柔軟性が向上します。

AWS Mainframe Modernization introduces new integrations for managed runtimes

 

Media系

 

★Deadline Cloudがジョブ、ステップ、タスク関連イベントのEventBridge配信をサポート

 

Media Services: Deadline Cloud

Deadline Cloudのジョブ、ステップ、タスクに関するステータス変化時に、EventBridgeへイベントを発行できるようになりました!
ジョブの失敗時に通知を送信したり、ジョブ成功時に出力を同期したりなど、後続タスクへの連携が容易になります。

AWS Deadline Cloud now sends Job, Step, and Task related events

 

Cloud Finance系

 

★★AWS請求に対する部分的なカード支払いがコンソールでサポート

 

Cloud Financial Management: Billing and Cost Management

AWSからの請求を、コンソールからの操作で複数カードに分割して支払いできるようになりました!
請求額に対して1枚のカードで一部支払いを実施し、残りの金額を別のカードで一部/全部支払うプロセスを複数回行うことで、ビジネスにおける支払いの柔軟性が得られます。

AWS now accepts partial card payments

 

★★Billing Conductorがプロフォーマ予算統合をサポート

 

Cloud Financial Management: Billing Conductor

Billing Conductorが、プロフォーマ(見積請求)ベースでの支出管理と予算アラートの生成に対応しました!
AWSパートナーの顧客に対する価格契約に基づいた料金で予算を作成し、より正確な予算管理とコスト監視を行えます。

Announcing pro forma budgets integration for AWS Billing Conductor

 

★★Billing ConductorがReserved Instance/Savings Plansのカバー率と使用率のレポート出力をサポート

 

Cloud Financial Management: Billing Conductor

Billing Conductorにて、プロフォーマ価格設定を反映したReserved InstanceとSavings Plansの適用範囲と使用率レポートを表示できるようになりました!
AWSパートナーによる顧客への価格設定を反映したコストデータに対するコミットメント割引の状況を確認可能です。

AWS Billing Conductor now supports RI and Savings Plans coverage and utilization reports

 

おわりに

 

今週もどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
Claudeの最新モデルにAurora Global DatabaseやLambdaの大きなアップデートなど、今週も盛りだくさんでしたね!

 

Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の(一部を除く)更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。

 

また、YouTubeにて毎週水曜12時から、前週のアップデートをラジオ感覚で振り返る #しむそくRadio も始まりました!
皆さんのフィードバックにより随時改善してまいりますので、是非チャンネル登録、視聴およびアンケートのご回答までしていただけると大変嬉しいです!

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