2024/5/6〜2024/5/12までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ
はじめに
5月第2週のAWSアップデートを振り返ってみました!
可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!
ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!
アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)
Compute系
★★Lightsailが大きなインスタンスバンドルを追加
Compute: Lightsail
Lightsailに、16vCPUと64GB RAMを備えたインスタンスバンドルが追加されました!
ディアルスタックまたはIPv6専用ネットワークタイプ、また様々なLinux OSまたはアプリケーションブループリントで利用可能です。
Announcing a larger instance bundle for Amazon Lightsail
Containers系
★★ECRがGitLabに対するプルスルーキャッシュをサポート
Containers: ECR
ECRのプルスルーキャッシュ機能が利用可能なアップストリームレジストリにGitLab Container Registryが追加されました! GitLabのレジストリからプライベートECRリポジトリへ自動で同期するよう設定でき、ECR上のイメージを常に最新に保ちます。
Amazon ECR adds pull through cache support for GitLab.com
Database系
★★RDS for PostgreSQLがマイナーバージョン16.3, 15.7, 14.12, 13.15, 12.19をサポート
Database: RDS
RDS for PostgreSQLにて、マイナーバージョン16.3, 15.7, 14.12, 13.15, 12.19が利用できるようになりました!
pgvector 0.7.0のサポートが含まれ、2,000次元超のベクトルインデックスや、スカラー量子化およびバイナリ量子化に対応します。
Amazon RDS for PostgreSQL supports minor versions 16.3, 15.7, 14.12, 13.15, and 12.19
★★RDS for PostgreSQLがpgvector 0.7.0をサポート
Database: RDS
RDS for PostgreSQLが最新のマイナーバージョンにおいてpgvector 0.7.0に対応しました!
ベクトルデータ型としてhalfvecとsparsevecが追加され、ベクトルインデックスの構築時間短縮と最大次元の増加を実現しています。
Amazon RDS for PostgreSQL supports pgvector 0.7.0
★★ElastiCacheの最低TLSバージョンが1.2に更新
Database: ElastiCache
Redisバージョン6以降と互換性のあるElastiCacheにおいて、TLSの最小バージョンが1.2となりました!
1.0および1.1は非推奨となり、2025年5月8日までにクライアントソフトウェアを更新する必要があります。
Amazon ElastiCache updates minimum TLS version to 1.2
★RDS for OracleがApril 2024アップデートをサポート
Database: RDS
RDS for Oracle 19c/21cにて、2024年4月のリリースアップデートが利用可能になりました!
多数のバグフィックスと新機能の追加が含まれ、自動マイナーバージョンアップグレードが有効な場合は6〜8週間後に適用されます。
Amazon RDS for Oracle now supports April 2024 Release Update
★RDS Performance InsightsがRDS for Oracle Multitenantをサポート
Database: RDS
RDS Performance Insightsの対象に、RDS for Oracleのマルチテナント構成が追加されました!
新しくプラガブルデータベース(PDB)ディメンションが追加され、コンテナデータベース(CDB)内のPDBの負荷分散を可視化できます。
Amazon RDS Performance Insights now supports RDS for Oracle Multitenant
★RDS for SQL Serverがマイナーバージョン2019 CU26と2022 CU12 GDRをサポート
Database: RDS
RDS for SQL Serverにて、マイナーバージョン2019 CU26と2022 CU12 GDRが利用できるようになりました!
Express, Web, Standard, Enterpriseいずれのエディションも対象で、パフォーマンス強化とセキュリティ上の修正が含まれます。
Amazon RDS for SQL Server Supports Minor Versions 2019 CU26 and 2022 CU12 GDR
★MemoryDBが転送設定におけるユーザー認証と暗号化を制御するIAM条件キーをサポート
Database: MemoryDB
MemoryDBが、クラスター作成時の転送設定における2つのIAM条件キーを追加しました!
memorydb:TLSEnabledでは暗号化を、memorydb:UserAuthenticationModeではユーザー認証を制御し、セキュリティを強化できます。
Amazon MemoryDB now supports condition keys for user authentication and encryption in transit
Integration系
★Amazon MQがRabbitMQ 3.12をサポート
Application Integration: MQ
Amazon MQでRabbitMQ 3.12.13が利用できるようになりました!
クラシックキューが全てバージョン2(CQv2)となり、遅延キューと同様の振る舞いをすることで、スループットの向上とメモリ使用量の削減を実現します。
Amazon MQ now supports RabbitMQ version 3.12
Management系
★★Resilience Hubがアプリケーションリソースドリフトを追加
Management & Governance: Resilience Hub
Resilience Hubに新しいドリフト検出タイプであるアプリケーションリソースドリフトが追加されました!
アプリケーションの入力ソース内に含まれる追加や削除を検知し、ドリフト発生時に通知を受け取れます。
AWS Resilience Hub expands application resilience drift detection capabilities
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS Resilience Hub のドリフト検出機能が強化され、アプリケーション変更でもトリガー出来るようになりました
★★Managed Service for Prometheus collectorがEKSアクセスマネジメントコントロールと統合
Management & Governance: Managed Service for Prometheus
Managed Service for Prometheus collectorがEKSアクセス管理制御と統合しました!
collectorが、Prometheusメトリクスを検出して収集するための管理アクセスポリシーをEKSで作成することができます。
Security系
★CognitoがM2Mの使用量に対する段階的な料金設定を追加
Security, Identity, & Compliance: Cognito
Cognitoのmachine-to-machine(M2M)認証を利用している場合に、段階的な料金が発生するようになりました!
マシンIDを定義してOAuth 2.0で認証する構成に適用されるようになり、既存の利用アカウントでは12ヶ月間料金が免除されます。
Amazon Cognito introduces tiered pricing for machine-to-machine (M2M) usage
Analytics系
★★QuickSightがSPICEを自動購入するためのAPIを提供
Analytics: QuickSight
QuickSightにおけるSPICE容量の自動購入設定を、APIで有効化/無効化できるようになりました!
コンソールでの手動設定が不要となり、スケジュールや予算など特定イベントで設定をトリガーすることが可能です。
Amazon QuickSight launches SPICE capacity auto-purchase API
Sunny Cloud記事:
【アップデート】Amazon QuickSightでSPICEの自動購入のAPIがサポートされました
★EMR ServerlessがManaged Service for Prometheusを用いたSparkジョブのモニタリングをサポート
Analytics: EMR
EMR Serverlessが、Apache Sparkジョブの詳細なパフォーマンス監視を行えるようになりました! Amazon Managed Service for Prometheusと統合し、複数ジョブを一元化して監視し、ボトルネックや傾向を特定します。
Machine Learning系: Bedrock
★★★【Preview】Bedrock Studioが登場
Machine Learning: Bedrock
Bedrockの新機能Bedrock Studioがプレビューリリースされました!
AWSアカウントとは別の環境でSSOにてログインし、Bedrockを用いたアプリケーションのプロトタイプを作成して評価およびチーム内で共有できます。
Announcing Amazon Bedrock Studio preview
公式ブログ:
Build generative AI applications with Amazon Bedrock Studio (preview)
DevelopersIO記事:
[プレビュー] Bedrock コンソールに近い機能を組織のユーザーへ提供する Amazon Bedrock Studio がプレビューで登場したのでセットアップして使ってみた
★★★Titan Text PremierがBedrockで利用可能に
Machine Learning: Bedrock
Amazonによる高性能な基盤モデルであるTitan Text Premierがバージニア北部リージョンで利用できるようになりました!
コスト効率が高く、RAGやエージェント向けにパフォーマンスが最適化されているほか、責任あるAIによる安全性を持ちます。
Amazon Titan Text Premier is now available in Amazon Bedrock
公式ブログ:
★★Agents for Bedrockがプロビジョンドスループット価格モデルをサポート
Machine Learning: Bedrock
Agents for Amazon Bedrockにてプロビジョンドスループットを利用できるようになりました!
モデルユニットという単位で保証されたスループットを契約することで、大規模なワークロードでのAgentsの動作を担保します。
Agents for Amazon Bedrock now supports Provisioned Throughput pricing model
Machine Learning系: その他
★★★SageMakerがDataZoneと統合し、データとMLアセット全体のガバナンスを強化
Machine Learning: SageMaker
SageMakerがDataZoneと統合され、MLインフラストラクチャ、データ、アセットのアクセス制御とガバナンスが効率化しました!
データやアセットをSageMaker StudioやCanvasで利用および共有でき、チームやパートナーとの共同作業が促進されます。
★★SageMakerノートブックがG6インスタンスをサポート
Machine Learning: SageMaker
バージニア北部、オレゴン、オハイオのSageMakerノートブックにG6インスタンスタイプが利用できるようになりました!
NVIDIA L4 TensorコアGPUと第3世代AMD EPYCプロセッサを搭載し、G4dnと比較してディープラーニング推論が2倍優れています。
Amazon SageMaker notebooks now support G6 instance types
★Pollyの英語音声が3種類追加
Machine Learning: Polly
Amazon Pollyに英語の合成音声が3つ追加されました!
アメリカ英語のRuthとMatthew、イギリス英語のAmyで、バージニア北部リージョンからアクセス可能です。
New Generative Engine with three synthetic English Polly voices
Business系: Amazon Connect
★Amazon Connect Contact Lensがスペイン語のPIIマスクをサポート
Business Applications: Connect
Amazon Connect Contact Lensが、スペイン語の個人識別情報(PII)を特定し、編集できるようになりました!
会話分析が有効なリージョンで利用でき、個人の連絡先やクレジットカード、口座情報などの機密情報をマスキングすることが可能です。
Amazon Connect Contact Lens now provides support for PII redaction in Spanish
★Amazon Connect Casesが添付ファイルを管理するためのAPIを提供
Business Applications: Connect
Amazon Connect Casesに、添付ファイルを管理するためのAPIが追加されました!
ファイルのアップロードや詳細の確認、ケースからの削除をプログラム的に自動化でき、効率が向上します。
Amazon Connect Cases now provides APIs for managing attachments
★Amazon Connectのフロー管理ページがCloudTrailをサポート
Business Applications: Connect
Amazon Connectのフロー管理ページがCloudTrailに対応しました!
フローを追加、更新、削除した際にCloudTrailへアクションが記録されるため、レポートやコンプライアンスに利用できます。
Amazon Connect launches AWS CloudTrail support for flow management pages
★Amazon ConnectがFlowとFlow Moduleの検索を強化するUIとAPIをサポート
Business Applications: Connect
Amazon Connectが、管理ウェブサイトのUIとAPIでFlowとFlow Moduleに対する拡張検索機能を提供しました!
それぞれを名前、説明、タイプ、ステータス、タグで検索できるようになり、Connectインスタンス内で簡単にフィルタリングが行えます。
★Amazon ConnectがFlowとFlow Moduleに対するタグベースのアクセス制御をサポート
Business Applications: Connect
Amazon Connectが、FlowとFlow Moduleに対するアクセス制御に対応しました!
タグベースで許可するユーザーを定義し、管理ウェブサイトにおいてアクセスを制限することができます。
Amazon Connect launches granular access controls (using resource tags) for flows and flow modules
DevelopersIO記事:
[アップデート]Amazon Connectのフローおよびモジュールでタグベースを利用したアクセス制御が可能になりました
Front-End系
★★★【New】Amplify Gen2が一般利用可能に
Front-End Web & Mobile: Amplify
PreviewとなっていたAmplify Gen2がGAとなりました!
あらゆるバックエンドリソースをTypeScriptで定義しCDKと連携してデプロイするほか、AI/MLサービスの統合など多くの新機能が追加されています。
AWS Amplify Gen 2 is now generally available
公式ブログ:
Fullstack TypeScript: Reintroducing AWS Amplify
DevelopersIO記事:
[GA] AWS Amplify Gen 2 が GA したのでカスタムドメインなど使ってみた
Amplify Gen2がGAとなり、CLIのコマンドが変更になりました
IoT系
★★IoT TwinMakerがKnowledge Graphを強化し、効率的なエンティティメタデータクエリをサポート
Internet of Things: IoT TwinMaker
デジタルツインを簡単に作成するためのIoT TwinMakerにて、Knowledge Graphが強化されました!
高速で柔軟なエンティティメタデータクエリが可能となり、データ全体での全文検索やワイルドカード検索による情報取得が迅速に行えます。
Cloud Finance系
★★★コスト異常検知のレイテンシーが最大30%削減
Cloud Financial Management: Billing and Cost Management
Cost Anomaly Detectionによるコスト分析が1日1回から最大3回となり、コスト異常の検知が最大30%早くなりました!
自動で適用され、通常利用から外れたコストの発生による通知をより早く受け取り、支出を抑えられます。
AWS Cost Anomaly Detection reduces anomaly detection latency by up to 30%
★★AWS Budgetsがリソースおよびタグベースのアクセス制御をサポート
Cloud Financial Management: Budgets
AWS Budgetsのリソースに対し、リソース名およびタグに基づいたアクセス制御が行えるようになりました!
プロジェクト単位でIAMポリシーによる制御を行うことで、所属メンバーのみBudgetリソースの閲覧や設定が行えるようにします。
AWS Budgets now supports resource and tag-based access controls
Sunny Cloud記事:
【アップデート】AWS Budgetsがリソースとタグベースのアクセスコントロールをサポートしました
おわりに
今週もきっとどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
Amplify Gen2がGAしたほかは、Amazon ConnectやRDS、機械学習系など、1つのサービスやカテゴリのまとまったアップデートが多かったですね。
Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。
(2月4週を除く)