2024/9/16〜2024/9/22までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ
はじめに
9月第3週のAWSアップデートを振り返ってみました!
可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!
ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!
アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)
Comptute系
★★X8gインスタンスがリリース
Compute: EC2
Graviton4を搭載したX8gインスタンスが、バージニア北部、オレゴン、フランクフルトのEC2で利用可能になりました!
Graviton2ベースのX2gdより最大60%パフォーマンスに優れ、最大3TiBのメモリにより大規模なワークロードに適しています。
Introducing Amazon EC2 X8g Instances
Database系
★★Amazon Q generative SQL for Redshiftがリリース
Database: Redshift
プレビューとなっていたAmazon Q generative SQL for RedshiftがGAとなりました!
Redshift Query Editorにて自然言語をもとにSQLの推奨事項を受け取り、クエリを簡単に作成できるようになるため、効率と生産性が向上します。
Announcing general availability (GA) of Amazon Q generative SQL for Amazon Redshift
★★Redshiftがzero-ETL統合で拡張VPCルーティングをサポート
Database: Redshift
RedshiftクラスターおよびServerlessにおいて、zero-ETL統合時に拡張VPCルーティング(EVR)が利用できるようになりました!
ウェアハウスとデータリポジトリ間におけるすべてのCOPYとUNLOADのトラフィックをVPC経由に強制させることができます。
Amazon Redshift now supports enhanced VPC routing warehouses in zero-ETL integration
★★Cost ManagementでDynamoDBのリザーブドキャパシティに関する推奨事項を提供
Database: DynamoDB
Cost Explorerに、DynamoDBのリザーブドキャパシティ購入に関する推奨事項が提供されるようになりました!
DynamoDBの使用状況を分析し、1年または3年の期間契約に基づく割引と推奨事項が確認でき、コスト最適化に役立ちます。
AWS Cost Management now provides purchase recommendations for Amazon DynamoDB reserved capacity
★★RDS Performance InsightsがAuroraのクラスターレベル設定をサポート
Database: RDS
RDS Performance InsightsがAuroraのクラスター単位で設定できるようになりました!
クラスター内の全てのインスタンスに対して一括でPerformance Insightsと拡張モニタリングを設定でき、追加されたAuroraレプリカにも設定継承が可能です。
Amazon RDS Performance Insights supports Aurora cluster-level configuration
★★DMSが拡張モニタリングをサポート
Database: DMS
DMSの移行タスクにおけるモニタリングダッシュボードが強化されました!
コンソール上で、複数のDMSタスクに関するメトリクスを集約して確認し、インスタンスごとのタスク使用率の可視化や発生した問題の根本原因の特定が簡単に行えるようになります。
AWS Database Migration Service now includes enhanced monitoring
DevelopersIO記事:
【New!】AWS Database Migration Serviceに拡張モニタリングが追加されました
★Keyspacesがマルチリージョンテーブルへの列追加をサポート
Database: Keyspaces
Keyspaces(for Apache Cassandra)が、既存のマルチリージョンテーブルに列を追加できるようになりました!
アプリケーションの変更に伴ってデータモデルを柔軟に更新でき、スキーマの変更は全てのリージョンにレプリケートされます。
Amazon Keyspaces (for Apache Cassandra) now supports add-column for multi-Region tables
★RDS for SQL Serverが複数のマイナーバージョンをサポート
Database: RDS
RDS for SQL Serverに、Microsoft SQL Serverの新しいマイナーバージョンが提供されました!
SQL Server 2016, 2017, 2019, 2022の各エディションで利用可能で、パフォーマンスの強化とセキュリティの修正が含まれています。
Amazon RDS for SQL Server Supports Minor Versions in September 2024
Storage系
★★S3 Express One ZoneがSSE-KMSをサポート
Storage: S3
S3 Express One Zoneのディレクトリバケットで、顧客管理キーを用いたSSE-KMSでの暗号化ができるようになりました!
機密性の高いデータに対してSSE-S3の代わりに利用することができ、セキュリティ要件を満たしながら高速なストレージを利用できます。
Amazon S3 Express One Zone now supports AWS-KMS with customer managed keys
★★Elastic Disaster RecoveryがLocal Zonesへのリカバリをサポート
Storage: DRS
Elastic Disaster Recoveryの復旧ポイントに、Local Zonesを指定できるようになりました!
利用中のリージョンで障害が発生した際、近いLocal Zoneで復旧でき、レイテンシーの低減とData Residencyの維持が期待できます。
AWS Elastic Disaster Recovery now supports recovery to AWS Local Zones
Security系
★★Private CAのモバイルデバイス向けSCEP ConnectorサポートがGA
Security, Identity, & Compliance: PCA
プレビューとなっていたPrivate CAのモバイルデバイス管理(MDM)ソリューション向けConnector for SCEPがGAとなりました!
企業のモバイルデバイスやBYODに対するデジタルID証明書の取得と登録における公開鍵インフラストラクチャ(PKI)の運用コストを削減できます。
AWS Private CA now supports SCEP for mobile devices
★★Directory Serviceがユーザーとグループを管理するAPIとコンソールをサポート
Security, Identity, & Compliance: Directory Service
Directory Service for Managed Microsoft Active Directoryのユーザーとグループを管理する新機能が追加されました!
ユーザーとグループに対するCRUD操作をコンソールまたはAPIで実行できるようになり、できるようになり、管理や同期の自動化が容易に行えます。
AWS Directory Service adds user and group management using APIs and Console
Management系
★★★AWS ChatbotがTeamsとSlackでBedrock Agentsの呼び出しをサポート
Management & Governance: Chatbot
AWS Chatbotを使って、接続したTeamsまたはSlackのチャンネルからBedrock Agentを呼び出せるようになりました!
独自のチャットボットを開発する必要なく、connectorにAgentを追加して呼び出すことで作成済みのAgentとチャットを開始することができます。
AWS Chatbot now allows you to interact with Amazon Bedrock agents from Microsoft Teams and Slack
Qiita記事:
会社のTeamsからBedrockを呼ぼう!AWS Chatbotの新機能でコード書かずにAIボット作成
ついにBedrockとSlackがノーコードで連携できるようになったよ!
★★CloudFormation Git syncがプルリクエスト作成による変更レビューをサポート
Management & Governance: CloudFormation
CloudFormationのGit同期が、スタック変更を適用する前にプルリクエストのコメントで変更内容を確認できるようになりました!
有効にすることで、リポジトリの更新内容に基づいたリソースの変更を事前に把握可能となり、意図しない変更による不具合の発生を防ぎます。
AWS CloudFormation Git sync now supports pull request workflows to review your stack changes
公式ブログ:
Automate safe AWS CloudFormation deployments from GitHub
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS CloudFormation の Git 同期機能がプルリクエストにスタック変更内容をコメントしてくれるようになりました
★★CloudWatch SyntheticsがLambdaリソースへのカナリアタグレプリケーションをサポート
Management & Governance: CloudWatch
CloudWatch Syntheticsのカナリア(コードスニペット)で作成されたタグを、関連するLambdaリソースへ複製できるようになりました!
カナリアによって更新または削除されたタグもLambdaへ同期されるようになり、カナリアに関連付けられたLambdaの追跡管理が容易になります。
Amazon CloudWatch Synthetics now supports canary tag replication to associated AWS Lambda resource
DevelopersIO記事:
[アップデート] Amazon CloudWatch Synthetics で Lambda 関数へのタグレプリケーション機能が追加されました
Analytics系
★★OpenSearchが既存ドメインでOR1インスタンスをサポート
Analytics: OpenSearch
OpenSearch 2.15が既存ドメインの設定変更でOR1インスタンスを利用できるようになりました!
S3を利用した価格性能比と耐久性に優れたインスタンスで、既存ドメインからBlue/GreenでシームレスにOR1へ移行できます。
OR1 instances now available for existing Amazon OpenSearch Service domains
★OpenSearchがi4gとi4iインスタンスをサポート
Analytics: OpenSearch
OpenSearchがストレージ最適化のi4gおよびi4iインスタンスに対応しました!
i4gはGravitonによる優れたストレージパフォーマンスを提供し、i4iは大きな128vCPUと1,024GiBメモリのインスタンスサイズが利用可能です。
Amazon OpenSearch Service now supports i4g & i4i instances
Machine Learning系
★【beta】AWS NeuronがNeuron Kernel Interface、NxD Training、JAXをサポート
Machine Learning: Neuron
AWS Neuron 2.20がリリースされ、TrainiumとInferentia向けプログラミングインターフェースであるNeuron Kernel Interface(NKI)がベータ版として追加されました!
その他、PyTorchベースのNxD TrainingとJAXフレームワークもベータとして追加されています。
AWS Neuron introduces Neuron Kernel Interface (NKI), NxD Training, and JAX support for training
Front-End系
★★Amplifyが非同期関数呼び出しによるタスクの長時間実行をサポート
Front-End Web & Mobile: Amplify
Amplifyが、AppSync APIからの非同期でのLambda呼び出しに対応し、長時間実行されるタスクを扱えるようになりました!
生成AI推論やバッチ処理などの呼び出しを非同期的にオフロードさせることで、アプリケーションの応答性と拡張性が向上します。
AWS Amplify now supports long-running tasks with asynchronous server-side function calls
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS Amplify Gen 2 が関数の非同期呼び出しをサポートしました
Business系
★★SESが苦情率に関する自動推奨事項をサポート
Business Applications: SES
SESがVirtual Deliverability Manager(VDM) Advisorの機能として、苦情率に対して自動で警告を提供できるようになりました!
送信IDレベルで苦情率が自動でチェックされ、高すぎる苦情率に対してEventBridge経由で警告を通知することで、送信の規制リスクに対処できます。
Amazon SES now offers automated complaint rate recommendations
Developer系
★★CodeBuildがマネージドGitLab Runnerをサポート
Developer Tools: CodeBuild
CodeBuildをGitLabのSelf-hosted Runnerとして利用できるようになりました!
GitHub Actionsと同様に、GitLabのCI/CDイベントをトリガーにコンピューティングを起動し、テストやビルドなどのワークフローを実行できます。
AWS CodeBuild now supports managed GitLab runners
DevelopersIO記事:
[アップデート] GitLab ランナーとして AWS CodeBuild を使えるようになりました
★★AWS SDK for Swiftがリリース
Developer Tools: SDK
AWS SDK for SwiftがGAとしてリリースされました!
主にAppleデバイスのアプリケーションと統合し、構造化同時実行やイベントストリーミングなどの機能を備えながらAWSの様々なサービスへ容易にアクセスできるようになります。
Announcing general availability of AWS SDK for Swift
★★Amazon Corretto 23がリリース
Developer Tools: Coretto
OpenJDK 23ベースのAmazon Coretto 23がリリースされました!
2025年4月までサポートされ、Z Garbage CollectorやVector APIのアップデートやJITコンパイルの改善などのパフォーマンス向上が含まれています。
Amazon Corretto 23 is now generally available
Media系
★★Elemental MediaConvertにオンデマンドボリューム割引が追加
Media Services: Elemental MediaConvert
Elemental MediaConvertのオンデマンド価格に、使用量が多いほど割引率が高くなるボリュームディスカウントが追加されました!
2024年9月の請求から適用され、BasicとProfessionalのそれぞれについて、一定値以上の利用で単価が最大75%割引されます。
Announcing AWS Elemental MediaConvert on-demand volume discount pricing
★Deadline Cloudが複数のソートフィールドをサポート
Media Services: Deadline Cloud
Deadline Cloudが、ステップ、タスク、ワーカーデータの単位でソートでき、タスクをステータス別にフィルタリングできるようになりました!
多数のジョブを同時に実行するときに、問題のあるジョブにおけるステップとタスクに関する情報にアクセスしやすくなります。
AWS Deadline Cloud launches additional sort fields for steps, tasks, and workers
IoT系
★★IoT Device ManagementがSoftware Package CatalogとJobsを強化
Internet of Things: IoT Device Management
IoT Device ManagementのSoftware Package CatalogとJobsに新機能が追加され、使いやすさが改善されました!
SBOMとパッケージバージョンの関連付け、レシピと呼ばれる展開手順セットの追加、デフォルトパッケージバージョンの設定など多数の機能が追加されています。
AWS IoT Device Management adds enhancements to Software Package Catalog and Jobs
Migration系
★★Transfer FamilyがSFTPコネクタ利用時のスループットとファイルサイズ上限を拡張
Migration & Transfer: Transfer Family
Transfer FamilyでSFTP connectorを利用する際の最大ファイルサイズ50GBから150GBに、スループットが100ファイル/sに引き上げられました!
メディアファイルの処理やデータベースの移行といった大量かつ大容量のファイル転送が容易となります。
AWS Transfer Family increases throughput and file sizes supported by SFTP connectors
★Mainframe Modernization File Transferがバイナリ転送とパフォーマンス向上をサポート
Migration & Transfer: Mainframe Modernization
Mainframe Modernization File Transferに2つの新機能が追加されました!
データセットをバイナリ形式のまま直接転送できるようになったほか、ファイル転送の起動時間が短縮されています。
AWS Mainframe Modernization File Transfer adds binary transfer and better performance
おわりに
今週も連休中なのでセーフ!アップデートまとめをお送りしました!
ノーコードでTeamsやSlackからBedrock Agentsが呼び出せるのはかなり良いですね。
Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の(一部を除く)更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。