2024/6/17〜2024/6/23までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ
はじめに
6月第3週のAWSアップデートを振り返ってみました!
可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!
ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!
アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)
【Pickup】CodeCatalystのアップデート
★★★CodeCatalystがAmazon Qを使用したissueの分析と細分化されたタスクの推奨をサポート
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystがAmazon Qを使用し、issueの分析と細分化を自動で行えるようになりました!
作成したissueをAmazon Qが詳細なタスクに分割して推奨事項として提供し、ユーザーまたはAmazon Q自体に割り当てられます。
Amazon now offers a capability to analyze issues and recommend granular tasks
★★CodeCatalystがAmazon Q Developerを使ったBlueprintの提案をサポート
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystがAmazon Q Developerを使って、最適なBlueprintを選択してプロジェクトを開始できるようになりました!
作成したいものをQ Developerに説明することで提案を受けられるほか、リソースに含まれない要件をissueとしてQ Developerに割り当てることもできます。
CodeCatalyst allows customers to use Amazon Q Developer to choose a blueprint
★★CodeCatalystがパッケージリポジトリとしてMaven, Python, NuGetをサポート
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystのパッケージリポジトリがMaven, Python, NuGet形式に対応しました!
mvn, pip, nugetを使用してそれぞれのパッケージを安全に保存、公開、共有したり、オープンソースパッケージにアクセスしたりできるようになります。
Introducing Maven, Python, and NuGet support in Amazon CodeCatalyst package repositories
★★CodeCatalystがissue間のリンクをサポート
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystがissueから他のissueへのリンクを作成できるようになりました!
issue間の関連や依存関係を可視化し、重複している、あるいは他のissueによってブロックされているといった状態を確認しやすくなります。
Amazon CodeCatalyst now offers the ability to link issues
★★CodeCatalystがGitHub CloudとBitbucketのリポジトリにおけるAmazon Qの利用をサポート
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystが、オレゴンリージョンにてGitHub CloudやBitbucketでホストされたリポジトリに対してAmazon Qを利用できるようになりました!
Amazon Qに割り当てられたissueに対する分析やプルリクエストなどソースコードへのアプローチを、様々なリポジトリで行えます。
Amazon CodeCatalyst now supports GitHub Cloud and Bitbucket Cloud with Amazon Q
★★CodeCatalystのEnvironmentsでデフォルトのIAMロールが設定可能に
Developer Tools: CodeCatalyst
CodeCatalystのCI/CDで作成するEnvironmentsについて、デフォルトのIAMロールを設定できるようになりました!
ワークフローアクションごとに個別にAWSアカウントの接続やIAMロールを設定する必要なく、Environmentsの作成が容易となります。
Default Role in CodeCatalyst Environments
Compute系
★★★Compute OptimizerがRDS MySQLおよびPostgreSQLのサイズに関する推奨事項をサポート
Conpute: Compute Optimizer
Compute Optimizerが、RDS MySQLとPostgreSQLに対しても推奨事項を提供できるようになりました!
CloudWatchメトリクスから使用率などを分析し、最適なインスタンスクラスとIOPSを提案することで、コスト最適化に貢献します。
AWS Compute Optimizer supports rightsizing recommendations for Amazon RDS MySQL and RDS PostgreSQL
★★macOSのAMIがParameter Storeで取得可能に
Compute: EC2
EC2のmacOS AMI IDが、他のOSと同様にSystems Manager Parameter Storeのパブリックパラメータから取得できるようになりました!
CloudFormationでmacOSのEC2インスタンスを作成する際などに、常に最新のAMIを使用して起動することができます。
Amazon EC2 macOS AMIs are now available on AWS Systems Manager Parameter Store
DevelopersIO記事:
[アップデート] Amazon EC2 の macOS AMI ID を SSM パブリックパラメータから取得出来るようになりました
Database系
★★Redshift Query Editor V2が100MBのファイルアップロードをサポート
Database: Redshift
Redshift Query Editor V2がローカルからアップロードできるファイルサイズの上限が5MBから100MBに拡張されました!
ローカルの大きなcsvやJSONなど構造化データファイルを取り込めるようになり、分析までのワークフローを迅速に行えます。
Amazon Redshift Query Editor V2 now supports 100MB file uploads
★RedshiftがVARBYTEデータタイプのサポートを16MBに拡張
Database: Redshift
Redshiftで扱える可変長バイナリ文字であるVARBYTEのサイズが、最大1,024,000バイトから16,777,216バイトに拡張されました!
Parquet, csv, テキストといったファイル形式からより大きなデータを取り込めるようになります。
VARBYTE(n)のデフォルトは640,000バイトのままです。
Amazon Redshift announces support for VARBYTE 16MB data type
★RDS for SQL Serverがio2 Block Expressで最大64TiBと256,000IOPSをサポート
Database: RDS
RDS for SQL Serverがio2 Block Expressを最大64TiBおよび256,000IOPSまで拡張可能になりました!
従来の16TiB/64,000IOPSから大幅に向上し、単一のインスタンスでより大きなワークロードを実行できるようになります。
Amazon RDS for SQL Server supports up to 64TiB and 256,000 IOPS with io2 Block Express volumes
DevelopersIO記事:
★RDS for MariaDBがマイナーバージョン10.11.8, 10.6.18, 10.5.25, 10.4.34をサポート
Database: RDS
RDS for MariaDBでマイナーバージョン10.11.8, 10.6.18, 10.5.25, 10.4.34が利用可能になりました!
既知のセキュリティ脆弱性やバグの修正、パフォーマンスの改善、新機能の追加が含まれています。
Amazon RDS for MariaDB supports minors 10.11.8, 10.6.18, 10.5.25, 10.4.34
Integration系
★MWAAがカスタムWebサーバーURLをサポート
Application Integration: MWAA
MWAAが、Airflow Webサーバーにカスタムドメインを設定できるようになりました!
ユーザーをIAMで認証した後のSSOリダイレクトURLに独自のドメインを利用でき、Airflow UIへのアクセスが簡素化します。
Amazon MWAA now supports Custom Web Server URLs
Security系
★★KMSが楕円曲線Diffie-Hellman鍵の共有をサポート
Security, Identity, & Compliance: KMS
KMSが、二者間で秘密鍵を共有するための楕円曲線Diffie-Hellman(ECDH)鍵を扱えるようになりました!
公開チャネル間でも、相手の公開鍵を使って、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)内で安全に秘密鍵を共有できます。
AWS KMS now supports Elliptic Curve Diffie-Hellman (ECDH) key agreement
Management系
★Systems ManagerがRocky Linux, Alma Linux, Oracle Linux 8.8/8.9で追加機能をサポート
Management & Governance: SSM
Systems Managerが、Rocky Linux, Alma Linux, Oracle Linuxのバージョン8.8/8.9でPatch Managerに対応しました!
それぞれのOSで適用可能なパッチのリストを取得し、自動的に適用できるようになります。
AWS Systems Manager now supports additional Rocky, Oracle, and Alma Linux versions
Analytics系
★★OpenSearchがJSON Web Tokenを用いた認証認可をサポート
Analytics: OpenSearch
OpenSearchがJSON Web Token(JWT)による認証および認可に対応しました!
Cognitoなどによる内部ユーザーデータベースでの認証をせず単一トークンで認証し、任意のオペレーターや外部IDプロバイダーから簡単に認証してアクセスできるようになります。
Amazon OpenSearch Service now supports JSON Web Token (JWT) authentication and authorization
★★DataZoneがカスタムブループリント設定をサポート
Analytics: DataZone
DataZoneでAWSサービス向けのカスタムブループリント機能が利用できるようになりました!
通常のブループリントに対し、既存のIAMロールやS3などのリソースでカスタマイズすることで、パイプラインへのシームレスな統合とコスト最適化を実現できます。
Amazon DataZone launches custom blueprint configurations for AWS services
★★Glueが新しい13個の変換をサポート
Analytics: Glue
Glueに組み込み変換が13種類追加されました!
重複行/列のフラグ、電話番号フォーマット、暗号化/復号化、整数からIPの相互変換などが利用でき、より高度なデータパイプラインを構築できるようになります。
AWS Glue adds additional 13 new transforms including flag duplicates
★★GlueがUsage Profilesをサポート
Analytics: Glue
Glue Usage Profilesがリリースされました!
Glueジョブとノートブックセッションのワーカーなど消費リソースに対し、ユーザー単位でコストプロファイルを作成して制御することができ、コスト最適化に役立ちます。
AWS Glue Usage Profiles is now generally available
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS Glue で ETL ジョブやノートブックセッションのプロビジョニングサイズなどを制限できる「Usage Profiles」機能が使えるようになりました
★GlueのサーバーレスSpark UIがローリングログファイルをサポート
Analytics: Glue
Glue 4.0以降のサーバーレスSpark UIがローリングログファイルに対応しました!
長時間実行されるバッチジョブやストリーミングジョブの詳細情報が表示でき、大規模ジョブの監視やデバッグに利用可能です。
AWS Glue serverless Spark UI now supports rolling log files
Machine Learning系
★★★★Claude 3.5 SonneがBedrockで利用可能に
Machine Learning: Bedrock
Anthropicの新しいモデルであるClaude 3.5 Sonnetがバージニア北部リージョンのBedrockで利用できるようになりました!
Claude 3 Opusよりもインテリジェンスに優れておきながら、Claude 3 Sonnetと同等の速さとコストを備えています。
Anthropic’s Claude 3.5 Sonnet model now available in Amazon Bedrock
公式ブログ:
KAG Qiita記事:
GPT-4oを超えた? Claudeの最新モデル3.5が登場! AWSのBedrockで早速使ってみた
DevelopersIO記事:
Claude 3.5 Sonnet、Anthropic社の最新生成AIモデルを試してみた
★★★BedrockのCohere Embedモデルが圧縮されたEmbeddingをサポート
Machine Learning: Bedrock
Bedrockが、Cohere Embedモデルによる圧縮されたEmbeddingに対応しました!
ベクトルデータをfloat32形式からint8またはbinary形式として格納することで、精度低下を最小限にしながらストレージコストを大幅に削減できます。
Amazon Bedrock now supports compressed embeddings from Cohere Embed
Cohereで機能追加された際のブログ:
Cohere int8 & binary Embeddings – Scale Your Vector Database to Large Datasets
★★★SageMakerがフルマネージドなMLflowをサポート
Machine Learning: SageMaker
SageMakerが、オープンソースのML実験ツールであるMLflowをフルマネージドで提供しました!
MLflowトラッキングサーバーを簡単に設定でき、スケーラブルで可用性が高く、IAMによるアクセス制御を備えたML実験環境を利用できます。
Amazon SageMaker now offers a fully managed MLflow Capability
★★SageMaker JumpStartが基盤モデルに対する詳細なアクセス制御をサポート
Machine Learning: SageMaker
SageMaker JumpStartが、基盤モデル(FM)に対するきめ細やかなアクセス制御を行えるようになりました!
組織内のユーザーがアクセス可能なプライベートハブが作成され、ロールやグループに応じてアクセス可能なハブと関連するFMを細かく設定できます。
Amazon SageMaker JumpStart now provides granular access control for foundation models
★★SageMaker HyperPodがクラスターのストレージを構成可能に
Machine Learning: SageMaker
SageMaker HyperPodがクラスターインスタンス用のクラスターストレージを設定できるようになりました!
追加のEBSボリュームを自動で追加および一元管理し、Dockerイメージやログ、ソフトウェアなどに必要な空き容量を確保できます。
Amazon SageMaker HyperPod now supports configurable cluster storage
Business系
★★Amazon Connect Casesが東京とソウルリージョンで利用可能に
Business Applications: Connect
Amazon Connect Casesが東京とソウルリージョンに対応しました!
エージェントが顧客との会話やフォローアップタスクに基づくissueを作成し、管理および共同作業を行える機能です。
Amazon Connect Cases is now available in additional Asia Pacific regions
Developer系
★★★CodeBuildがGitHubのOrganization/Global webhookをサポート
Developer Tools: CodeBuild
GitHub/GitHub EnterpriseのOrganization/Global webhookをCodeBuildで受信できるようになりました!
組織またはエンタープライズレベルで単一のwebhookを使用し、ビルドや同一のマネージドGitHub Actions Self-hosted Runnerを実行できます。
AWS CodeBuild now supports organization and global GitHub webhooks
★CodeArtifactがRustパッケージマネージャーのCargoをサポート
Developer Tools: CodeArtifact
CodeArtifactがRustパッケージマネージャーであるCargoに対応しました!
CodeArtifactのリポジトリからクレートを公開およびダウンロード、およびcrates.ioのクレートをCodeArtifactのリポジトリに保存することができます。
AWS CodeArtifact now supports Cargo, the Rust package manager
Media系
★★IVSのリアルタイムストリーミングが参加者の個別録画をサポート
Media Services: IVS
IVSのリアルタイムストリーミングで、個々の参加者を録画できるようになりました!
既存の全参加者をまとめて録画する機能に追加される形で提供され、個々の参加者の録画がS3バケットに個別で保存されます。
Record individual participants with Amazon IVS Real-Time Streaming
★Deadline CloudがAutodesk 3ds Maxのオンデマンドライセンスをサポート
Media Services: Deadline Cloud
Deadline Cloudが、3Dモデリングやアニメーション向けソフトウェアのAutodesk 3ds Maxをオンデマンドライセンスとして提供しました!
3ds Maxライセンスをライセンスエンドポイントに追加して使用することで、シームレスかつ従量課金でアクセスできます。
Announcing support for Autodesk 3ds Max Usage-Based Licensing in AWS Deadline Cloud
★Elemental MediaConnectがソースストリームのモニタリングをサポート
Media Services: Elemental MediaConnect
Elemental MediaConnectが、着信トランスポートストリームとそのプログラムメディアを監視できるようになりました!
MediaConnect APIまたはコンソールにてトランスポートストリーム情報を表示でき、迅速な問題解決に役立ちます。
AWS Elemental MediaConnect adds source stream monitoring
Cloud Finance系
★★Billing and Cost ManagementがCost Optimization Hubのエクスポートをサポート
Cloud Financial Management: Billing and Cost Management
Billing and Cost ManagementのCost Optimization Hubが、Data Exports機能を追加しました!
ParquetまたはcsvでS3に配信でき、レポートの作成や分析/BIツールでのさらなる洞察といったアクションが可能です。
AWS Billing and Cost Management now provides Data Exports for Cost Optimization Hub
Sunny Cloud記事:
【アップデート】Cost Optimization HubからS3へデータエクスポートができるようになりました
★★Billing and Cost ManagementがFOCUS 1.0のエクスポートをサポート
Cloud Financial Management: Billing and Cost Management
Billing and Cost Managementが、オープンソースの標準化向けスキーマであるFOCUS 1.0でのエクスポートにプレビュー対応しました!
ParquetまたはcsvでS3に配信でき、他のクラウドベンダーとの財務情報比較が容易に行えるようになります。
AWS Billing and Cost Management now provides Data Exports for FOCUS 1.0 (Preview)
おわりに
今週もおそらくどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
AWS Summitの裏で、Claude 3.5 SonnetやCodeCatalystの大量アップデートなど注目のものがたくさんありましたね。
AWS Summitでは、基調講演にてBedrockでClaude 3の東京リージョンサポートや、Amazon Qの日本語対応も予告されていました!
こちらも楽しみです。
Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の(一部を除く)更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。