2023/10/9〜2023/10/15までのAWSアップデートを振り返ってみた
10/15追記:記事アップ後に追加されていた2個のアップデートを反映しました!
はじめに
10月2週のAWSアップデートを振り返ってみました。
今週は少ないですが、注目のアップデートがいくつもあります!
若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めです。ご了承ください。
引き続き、一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログとクラスメソッドさんのDevelopersIO記事、さらにSunnyCloudさんの記事も併せて紹介しています!
ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!
アップデートの見出しは日本語訳しています!(既に日本語の記事が出ているものもあります)
Compute系
★★★LambdaがIPv6アドレスを使ったデュアルスタックVPCへのアクセスをサポート
Compute: Lambda
LambdaがデュアルスタックVPCのリソースに対してIPv6アドレスを使ってアクセスできるようになりました!
IPv4アドレスを使用していたことで発生していたIPv4アドレス枯渇の懸念が解消し、よりスケーラビリティを確保できるようになります。
★★AMIが無効化状態をサポート
Compute: EC2
EC2インスタンスのAMIについて、登録解除せず無効化することができるようになりました!
組織要件などの理由から登録解除(削除)できないが、インスタンス作成に使用されたくないAMIに対して有用です。
Amazon EC2 now supports setting AMIs to a disabled state
DevelopersIO記事:
[アップデート] Amazon マシンイメージ(AMI)の無効化ができるようになりました
★★Amazon Linux 2023.2がAnsibleとCorretto 21に対応
Compute: EC2
Amazon Linux 2023.2にて、AnsibleとCorretto 21が利用可能になりました!
Ansibleによるシステム設定の一元管理やマルチデプロイと、CorettoによるJava開発および運用を、AL2023でも便利に行うことができるようになります。
Amazon Linux announces support for Ansible and Corretto 21 with AL2023.2
★★C7gd/M7gd//R7gdインスタンスが複数リージョンで利用可能に
Compute: EC2
東京リージョン(とシンガポールリージョン)でC7gd/M7gd//R7gdインスタンスが利用可能になりました!
また、シドニーリージョンではC7gdインスタンスのみ利用可能となっています。
Graviton3とDDR5を搭載し、Graviton2よりNVMeパフォーマンスが最大45%向上、また通常のインスタンスより消費エネルギーが最大60%削減されます。
Amazon EC2 C7gd, M7gd, and R7gd instances now available in additional regions
Database系
★★RDS for PostgreSQLがActive-Activeレプリケーションに対応
Database: RDS
RDS for PostgreSQLが、15.4-R2以上において拡張機能pgactiveによる非同期のActive-Activeレプリケーションを利用できるようになりました!
最大16のライターインスタンスに対応し、自動競合検出やカスタマイズ可能な解決ルールが提供されています。
Announcing pgactive: Active-active Replication Extension for PostgreSQL on Amazon RDS
DevelopersIO記事:
[アップデート] Amazon RDS for PostgreSQL 15.4-R2 で pgactive 拡張を使ったアクティブ/アクティブ構成を導入してみた
★★RDS for PostgreSQL, MySQL, MariaDBで利用可能なインスタンスタイプが追加
Database: RDS
RDS for PostgreSQL/MySQL/MariaDBがM6in/M6idn/R6in/R6idnインスタンスにそれぞれ対応しました!
最大200Gbpsの帯域幅に対応し、書き込みの多いワークロードに最適です。
またM6idn/R6idnは最大7.6TBのNVMe SSDローカルブロックストレージに対応し、さらにOptimized Read/Writeにも対応しているため、さらにパフォーマンスが向上しています。
Amazon RDS for PostgreSQL, MySQL, and MariaDB supports M6in, M6idn, R6in, R6idn database instances
Storage系
★★FSx for NetApp ONTAPが大阪リージョンで利用可能に
Storage: FSx for NetApp ONTAP
大阪リージョンでFSx for NetApp ONTAPが使えるようになりました!
西日本での利用におけるパフォーマンス向上や、東京リージョンのDRなどとしての活用が期待できそうです。
Amazon FSx for NetApp ONTAP is now available in the AWS Asia Pacific (Osaka) Region
DevelopersIO記事:
[アップデート] Amazon FSx for NetApp ONTAPが大阪リージョンをサポートしました
Network系
★★★Verified Accessが東京およびシンガポールリージョンで利用可能に
Networking & Content Delivery: Verified Access
Verified Accessが東京/シンガポールの2リージョンで利用可能になりました!
ゼロトラストに基づき、VPNなしでアプリケーションへのアクセスをリアルタイムで制御・評価することのできるサービスです。WAFも利用可能です。
AWS Verified Access is now available in two additional AWS regions
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS Verified Access が東京リージョンで使えるようになりました
★★★NLBのパフォーマンスと冗長性を向上させる複数の機能追加
Network & Content Delivery: ELB
NLBにて3つの機能追加アップデートがありました!
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NLBのDNS解決の際、クライアント(リクエスト送信元)と同じAZのIPアドレスが解決されるようになり、AZ間のレイテンシが削減できます。
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ヘルスチェックに失敗したターゲットの接続を切断しないよう設定可能になり、リコネクション過多による処理輻輳を防ぐことができます。
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UDPターゲットグループにおいて、登録解除がタイムアウトした際にデフォルトでUDP接続を終了するようになりました。長時間のUDP接続を抑制しパフォーマンスが向上します。
Announcing new AWS Network Load Balancer (NLB) availability and performance capabilities
SunnyCloud記事:
【アップデート】Network Load Balancer (NLB) の可用性とパフォーマンスが改善されました
Integration系
★★Step FunctionsがEMR Serverlessに対するOptimized統合を提供
Application Integration: Step Functions
Step FunctionsによるEMR Serverlessアクションの実行時、統合タイプとしてOptimizedが選べるようになりました!
Lambdaなどでは利用できている機能で、アクションに最適化された入力項目により設定しやすくなっています。
AWS Step Functions launches Optimized Integration for Amazon EMR Serverless
DevelopersIO記事:
[アップデート] AWS Step Functions の最適化された統合で EMR Serverless がサポートされ、よりシンプルなパイプライン実装が可能になりました
Management系
★★★Systems Managerへのアクセス許可をOrganizations単位で設定可能に
Management & Governance: Systems Manager
インスタンスプロファイルを変更せずSSM agentを利用可能にするDefault Host Management Configuration (DHMC)が組織単位で設定可能になりました!
Organizations所属のアカウントに対して、全てのEC2にSSMコア機能への許可を与えることができます。
Announcing ability to enable AWS Systems Manager by default for all EC2 instances in an organization
★★★CloudWatchメトリクスとしてEC2にアタッチされたEBSのステータスチェックが追加
Management & Governance: CloudWatch
CloudWatchメトリクスにAttached EBS Status Checkが追加されました!
EC2にアタッチされている1つ以上のEBSボリュームについて、到達とI/Oが可能かチェックします。
デフォルト頻度は1分です。
New Amazon CloudWatch metric monitors EC2 instance reachability to EBS volumes
DevelopersIO記事:
[アップデート]Amazon CloudWatch メトリクスでは、EC2インスタンスからEBSボリュームへの通信の到達性を監視するメトリクスが追加されました
SunnyCloud記事:
【アップデート】Amazon CloudWatchメトリクスで、EC2インスタンスのEBSボリュームの到達性が監視できるようになりました
★★CloudWatch Internet MonitorがVPCコンソールから利用可能に
Management & Governance: CloudWatch
CloudWatch Internet MonitorがVPCコンソールからでも起動できるようになりました!
VPCの「Integrations(統合)」タブから簡単に作成、または既存のモニタを関連付けることができます。
Launch Amazon CloudWatch Internet Monitor from Amazon Virtual Private Cloud console
★Systems Manager Application ManagerがSAP HANAに対応
Management & Governance: Systems Manager
SSM Application ManagerがSAP HANAデータベースをサポートしました!
コンソール上で登録し、AWS Backupの対象にしたり、SAPワークロードに適した形で運用・管理したりできます。
AWS Systems Manager Application Manager now supports SAP HANA
Analytics系
★★OpenSearch向けの検索パイプラインが追加
Analytics: OpenSearch
OpenSearch2.9にて、検索パイプラインが利用可能になりました!
検索クエリと処理のパイプラインを簡単に構築することが可能で、検索および処理の個々のステップが非常に多機能です。
AWS announces Search Pipelines for OpenSearch
★QuickSightがピボットテーブルの視覚的な表示オプションを追加
Analytics: QuickSight
QuickSightによるピボットテーブルの小計/合計の表示設定が向上しました!
形式やコンテキストに応じて小計/合計の列や行の位置を自動で設定または手動で制御することができます。
Amazon QuickSight adds total positioning options for pivot table
公式ブログ:
Introducing advanced formatting options for pivot table totals and subtotals in Amazon QuickSight
★QuickSightがRedshiftのデータソースに関連付けられたIAMロールでのクエリ実行をサポート
Analytics: QuickSight
QuickSightにて、Redshiftのデータソースに対してrun-asロールを使用してクエリを実行できるようになりました!
Athena/S3データソースに対しては既に有効な機能で、データに対するきめ細やかなアクセス制御が実現できます。
Amazon QuickSight now supports running queries as an IAM role for Redshift data sources
★GlueがGitLabとBitBucketをサポート
Analytics: Glue
Glueにて、GitHubとCodeCommitに加えてGitLabとBitBucketが利用可能になりました!
ジョブのバージョン管理が多様化したとともに、CodeDeployやJenkinsによるデプロイの自動化を組むことができます。
AWS Glue now supports GitLab, BitBucket in its Git integration feature
Machine Learning系
★★★SageMaker Canvasがリアルタイムエンドポイントへのデプロイに対応
Machine Learning: SageMaker
SageMaker CanvasがSageMakerのリアルタイム推論エンドポイントへのデプロイをサポートしました!
SageMaker Canvasワークスペース外へモデルを容易に展開できるようになり、ノーコードで機械学習を用いた本番ワークロードを実行することができます。
Deploy ML models built in SageMaker Canvas to SageMaker real-time endpoints
★★SageMaker Canvasを利用して文書の要約や情報抽出が可能に
Machine Learning: SageMaker
SageMaker Canvasが、用意したドキュメントのコンテンツ要約と情報抽出をサポートしました!
Kendraでインデックスを作成し、Bedrockで利用可能なFMを使用して実現しており、ノーコードで利用することができます。
Amazon SageMaker Canvas expands content summarization and information extraction capabilities
★★TextractがCustom Queriesを提供開始
Machine Learning: Textract
Amazon Textractが新機能Custom Queriesを発表しました!
Analyze Document APIを使って自然言語でクエリするだけで、ドキュメントから特定の情報を抽出できるようになります。
★★RekognitionにCustom Moderationが登場
Machine Learning: Rekognition
Rekognitionが不適切な画像/動画を検出するコンテンツモデレーションに、Custom Moderationが登場しました!
ML知識がほぼ不要で、20枚のモデルをトレーニングし、カスタム不適切コンテンツ検出に対する偽陽性/偽陰性を減らします。
Enhance accuracy of pre-trained Rekognition moderation model with Custom Moderation
Developer系
★★cdk8sがHelmチャートのsynthesizeやimportなど新機能をリリース
Developer Tools: CDK
Kubernetes向けのCDKであるcdk8sがHelmと統合し、チャートをシームレスに変換、また既存チャートをインポートできるようになりました!
併せて、CDK/CDK for Terraformのデプロイ時トークンの解釈にも対応しています。
New features for cdk8s include synthesize and import Helm charts and resolve cloud tokens
Media系
★Elemental MediaTailorがad breakの検出をサポート
Media Services: Elemental MediaTailor
Elemental MediaTailorが、VODソース内のad breakマーカーを自動検出し、広告を挿入する機能をサポートしました!
手動でad breakのタイミングをセットすることなく広告を入れられるため、チャンネルを効率良く収益化することができます。
AWS Elemental MediaTailor now supports ad break discovery in Channel Assembly
おわりに
今週も(たぶん)どこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
先週、先々週より数としては控えめですが、馴染みあるサービスの便利なアップデートが多くて嬉しいですね。
登壇資料作成など、忙しい週にはまとめきれない可能性が今後出てきます…
Twitterアカウントでは可能な限りアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!