2023/8/14〜2023/8/20までのAWSアップデートを振り返ってみた

2023-08-20

目次

はじめに

 

8月3週のAWSアップデートを振り返ってみました。
今週はちょっと少なめですが、気になるものがいくつもあります! 若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めです。ご了承ください。
引き続き、一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログとクラスメソッドさんのDevelopersIO記事も併せて紹介しています!

 

ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★★を追っていきましょう!

今回からアップデートの見出しを日本語訳してみました!英語が読めなくても安心?

 

Compute&Containers系

 

★★★Amazon EC2にM7aインスタンスタイプが登場

 

Compute: EC2

第4世代AMD EPYCを搭載したM7aインスタンスタイプがリリースされました!M6aから50%もパフォーマンスが向上しています! バージニア北部リージョンベースだとM6aよりはお高めの設定になっています。
ただし、M4系以降汎用ではあまり見かけなかった1コア/4GiBのmedium(m7a.medium)が利用可能です!

現時点で利用可能なリージョンはUS East (Ohio), US East (N. Virginia), US West (Oregon), Europe (Ireland)の4つです。

Announcing general purpose Amazon EC2 M7a instances

 

★★Amazon EC2にHpc7aインスタンスタイプが登場

 

Compute: EC2

M7aに引き続きAMD EPYCプロセッサの4世代目であるHpc7a(High Performance Computing)インスタンスがGAになりました!
現時点での対応リージョンはUS East (Ohio), Europe (Ireland), AWS GovCloud (US-West)です。なかなか珍しい組み合わせ?

Announcing Amazon EC2 Hpc7a instances

ブログ記事もあります。パフォーマンスはHpc6aの2.5倍とのこと!

New – Amazon EC2 Hpc7a Instances Powered by 4th Gen AMD EPYC Processors Optimized for High Performance Computing

 

★★AWS Batchで利用するAmazon ECSインスタンスがAL2023をサポート

 

Compute: Batch

Batchで使用するECSのインスタンスにAmazon Linux 2023が使えるようになりました!
デフォルトはAmazon Linux 2のままなので、手動で設定変更する必要があります。
ECSは既にAL2023に対応していました。サポート期限が延びていくのは安心ですね。

AWS Batch on Amazon ECS now supports AL2023

こちらはDeveloperIOの記事です。

[アップデート] AWS Batch の ECS on EC2 タイプでコンテナインスタンスに Amazon Linux 2023 が設定出来るようになりました

 

Database系

 

★★Amazon RDS Performance Insightsにオンデマンド分析が追加

 

Database: RDS

Performance Insightsに機械学習ベースのオンデマンド分析が登場しました!
実際には指定期間のパフォーマンスに関する分析レポートを出力してくれる機能みたいです。ボトルネック特定に活用できそうですね!
Auroraの両方、またはRDS for PostgreSQLで利用可能です。

Amazon RDS Performance Insights provides an on-demand analysis experience

こちらはDeveloperIOの記事です。

[アップデート] RDS Performance Insights で指定した期間のパフォーマンス分析レポートを作成できるようになりました

 

★Amazon RDSにおいてT4gインスタンスタイプが新たに6リージョンで利用可能に

 

Database: RDS

大阪を含む6つのリージョンのRDSで新たにGraviton2が利用できるようになりました!こちらはT4gインスタンスタイプの記事です。

Amazon RDS now supports T4g database instances in 6 additional AWS regions

 

★Amazon RDSにおいてM6g/R6gインスタンスタイプが新たに6リージョンで利用可能に

 

Database: RDS

T4gに続き、M6g/R6gインスタンスタイプも新たに大阪を含む6つのリージョンのRDSで利用できるようになりました!

Amazon RDS now supports M6g and R6g database instances in six additional AWS regions

 

Storage系

 

★AWS Backup Audit Managerがバックアップ管理アカウントの委譲に対応

 

Storage: Backup Audit Manager

OrganizationsでAWS Backup Audit Managerを使用している際、Organizationsの管理アカウントとは別のメンバーアカウントにBackup Audit Managerの管理を委譲することが可能になりました!
利用中の組織ではなるべく管理アカウントに権限を集中させず、分けて運用することが好ましいです。

AWS Backup Audit Manager now supports delegated backup administrator

DevelopersIOでも既に記事が出ていました。

[アップデート]AWS Backup Audit Manager の管理をメンバーアカウントに委任できるようになりました

 

★Amazon FSx for NetApp ONTAPにパフォーマンス関連のCloudWatchメトリクスが追加し、ダッシュボード項目が向上

 

Storage: FSx for NetApp ONTAP

FSx for NetApp ONTAPで利用可能なCloudWatchメトリクスが増えました!
CPU使用率、SSD IOPS、ネットワーク帯域使用率などが見れるようになり、パフォーマンスの計測が捗りますね!

Amazon FSx for NetApp ONTAP now provides additional performance metrics and an enhanced monitoring dashboard

 

Frontend & Developer系

 

★★AWS AppSyncのGraphQL APIリゾルバが全てJavaScriptで定義可能に

 

Front-End Web & Mobile: AppSync

AppSyncのGraphQL APIにおけるunit resolversが、単一のresolver/単一のdata source access patternに対してJavaScriptの記述に対応し、resolverが全てJavaScriptで定義できるようになりました!
今まではVTLというJavaベースの言語で定義する必要がありました。引き続き、複雑なパターンではVTLを使用することとなります。
CDKで記述する際も言語が統一されて書きやすくなりますね!

AWS AppSync now supports JavaScript for all resolvers in GraphQL APIs

詳しい記述の方法はブログをどうぞ。

AWS AppSync now supports JavaScript for all resolvers in GraphQL APIs

 

★★AWS CodePipelineがGitLabに対応

 

Developer Tools: CodePipeline

CodePipelineの対象として新たにGitLabが使えるようになりました!
ソースリポジトリの選択肢が増加するのは良いことですね。

AWS CodePipeline now supports GitLab

DevelopersIOでも記事が出ています。

[アップデート] AWS CodePipeline のソースプロバイダーで GitLab リポジトリがサポートされました

 

Migration系

 

★AWS Mainframe Modernization Data Replication with Preciselyが登場

 

Migration: Mainframe Modernization

Preciselyを利用しているメインフレームのワークロードのデータをAWS上にレプリケートするAWS Mainframe Modernization Data Replication with Preciselyが利用可能になりました!
CDC(継続的データキャプチャ)によるRDS/Auroraへの動的レプリケートなどが提供されます。複数のAWSサービスが組み合わされているイメージですね。

AWS Mainframe Modernization Data Replication with Precisely is now available

 

Management系

 

★★ AWS Distro for OpenTelemetryでKubernetes attributes processorが利用可能に

 

Management & Governance: AWS Distro for OpenTelemetry

AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) collectorにおいて、Kubernetesのnamespaceやpodといったメタデータをフィルタリングに使用することができました!
先日CloudWatch AgentがX-RayやOpenTelemetryに対応したばかりですが、ADOTでもX-Rayは収集可能なので、Kubernetesクラスターでの利用に関してはADOTの方が優位かもしれませんね。

Kubernetes Metadata Enrichment now available in AWS Distro for OpenTelemetry

 

★AWS Resilience Hub が推奨事項の除外に対応

 

Management & Governance: Resilience Hub

AWS Resilience Hubにおいて、運用上の推奨事項を除外することができるようになりました!
推奨事項に対し理由を入力しつつ、完了したかのようにスコアへクレジットを加算することになります。
アプリケーションに対する柔軟性を若干確保できるようになった感じですね。

AWS Resilience Hub supports Exclude Recommendations

 

Security系

 

★AWS Audit ManagerがAmazon EventBridgeと統合

 

Security, Identity, & Compliance: Audit Manager

Audit ManagerのイベントからEventBridgeが駆動できるようになりました!
今までは特定シーン(委任者がレビューを完了したときなど)でSNS通知ができる程度でしたが、EventBridgeを起点にLambdaやStep Functonsなど幅広くアクションを起こせるようになっています。

AWS Audit Manager adds integration with Amazon EventBridge

自学のため、BlackBeltのリンクも掲載しておきます。

[AWS Black Belt Online Seminar] AWS Audit Manager

 

Analytics & Machine Learning系

 

★★★AWS IAM Identity CenterがAmazon QuickSightと統合

 

Analytics: QuickSight

IAM Identity Center(旧称SSO)がQuickSightとネイティブに統合し、外部IdP連携を使用せず直接連携することができるようになりました!
QuickSightアカウント作成時にのみ有効化が設定できることに注意が必要です。

AWS IAM Identity Center integration is now generally available for Amazon QuickSight

DevelopersIOでも詳しく紹介されています。

[アップデート] Amazon QuickSight で AWS IAM Identity Center の統合機能がサポートされました

 

★★Amazon OpenSearch Serverlessがより大規模なワークロードに対応

 

Analytics: OpenSearch Serverless

OpenSearch Serverlessが大規模ワークロードに対応し、一部のコレクションタイプでCompute Unit(OCU)上限が50→100になりました!
更に、取り扱える時系列コレクションタイプのインデックスデータサイズ上限が最大6TBになっています!

Amazon OpenSearch Serverless expands support for larger workloads and collections

DevelopersIOの記事もあります!

[アップデート] Amazon OpenSearch Serverless で最大 OCU および時系列コレクションのインデックスデータサイズ上限が拡張されました

 

★AWS Glue Studioにおいて5つの視覚的な変換項目が追加

 

Analytics: Glue

Glue StudioのGUIで以下の変換が簡単にできるようになりました!

  • Record matching
  • Remove null rows
  • Extract string fragments from a regular expression
  • Parse JSON column
  • Extract JSON path

先日CodeWhispererも全リージョンで使えるようになり、コードを書く労力がグッと抑えられますね!

AWS Glue Studio Visual ETL adds 5 new visual transforms

 

★Amazon EMR Serverlessにおけるログ収集の利便性向上

 

Analytics: EMR Serverless

EMR ServerlessでApache Sparkジョブのログ出力に使用されるLog4j2において、ジョブごとにログレベルを設定できるようになりました!
必要に応じてそれぞれのジョブにERROR/INFO/DEBUGのログレベルを設定することで、冗長なログを削減しつつほしいログはしっかり出力するこができます。

Amazon EMR Serverless now makes it easier to specify fine grained log configurations

 

★Amazon LexにConfirmationスロットタイプが追加

 

Machine Learning: Lex

Amazon LexにConfirmationというスロットタイプが追加されました!
チャットボットにおいて、ユーザーからの非定型な応答を「Yes」「No」「Maybe」「Don’t know」のいずれかに分類してくれます(特定できないものを除く)。会話形インターフェースの幅が広がりますね!
現状は英語のみ対応。

Amazon Lex now supports Confirmation slot type

こちらはDeveloperIOの記事となります。

[アップデート] Amazon Lex で任意の確認結果を取得するための組み込みスロットタイプが使えるようになりました

 

Media & Game系

 

★★Amazon Kinesis Video Streamsが画像サンプリングの頻度を向上

 

Media Services: Kinesis Video Streams

Kinesis Video Streamsにおける画像抽出機能の間隔が向上しました!
なんと「3秒に1枚」が15倍向上し、「秒間5フレーム」に!

Amazon Kinesis Video Streams improves image sampling frequency to 5 frames per second

 

★★Amazon GameLiftがGraviton3プロセッサを用いたインスタンスに対応

 

Game Tech: GameLift

GameLiftがGraviton3に対応しました!Graviton2より最大25%パフォーマンスが向上し、エネルギー使用量の節約にも貢献しているとのこと!
プロセッサが進化するとその分ゲームの可能性が広がるので、非常に楽しみですね!

Announcing Amazon GameLift support for instances powered by AWS Graviton3 processors

 

おわりに

 

先週はデカいアップデートがいくつかありましたが、今週も新しいインスタンスタイプやQuickSightのIdentity Center統合など注目のアップデートがいくつかありましたね!

 

なんとか3回続けられました。3週坊主?にならないよう続けていきたいです。
フィードバックを頂けるとモチベーションになります!何卒!