2024/6/3〜2024/6/9までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ

目次

はじめに

 

6月初週のAWSアップデートを振り返ってみました!

 

可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!

 

ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!

アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)

 

Compute系

 

★★EC2のインスタンスタイプ提案機能がコンソールで利用可能に

 

Compute: EC2

ワークロードに最適なEC2のインスタンスタイプを提案するファインダー機能がコンソールで利用できるようになりました!
Amazon Qとも統合されており、要件を選択または自然言語で指定することで、750を超えるインスタンスタイプから最適なものを決定できます。

Amazon EC2 instance type finder capability is generally available in AWS Console

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon EC2 のインスタンスタイプを選択する時に、ワークロード条件にあわせたアドバイスを受けることが出来るようになりました

 

★★AWS BatchがJob Queue Snapshotを提供

 

Compute: Batch

AWS Batchに新機能Job Queue Snapshotが追加され、キューの先頭にあるジョブを観察できるようになりました!
フェアシェアスケジューリング機能が可視化され、ワークロードに影響のある問題を特定しやすくなり、中断を最小限にすることができます。

AWS Batch introduces the Job Queue Snapshot to view jobs at the front of the job queues

 

★Elastic BeanstalkがAmazon Linux 2023で.NET 8をサポート

 

Compute: Elastic Beanstalk

Elastic Beanstalkが、.NET 8 on Amazon Linux 2023環境を提供開始しました!
SHA-3ハッシュアルゴリズムの対応や、動的なプロファイルガイド最適化(PGO)の強化、ガベージコレクションの改善などが行われています。

AWS Elastic Beanstalk now supports .NET 8 on AL2023

 

Database系

 

★★DMSがBabelfish for Aurora PostgreSQLをソースとしてサポート

 

Database: DMS

DMSのソースにBabelfish for Aurora PostgreSQLが選択できるようになりました!
BabelfishはMicrosoft SQL Server向けのコマンドが理解できるPostreSQL互換エディションで、フルロードおよびCDCでの移行のいずれも対応しています。

AWS DMS now supports Babelfish for Aurora PostgreSQL as a source

 

★★Aurora MySQL 3.07がリリース

 

Database: RDS

MySQL 8.0.36互換のAurora MySQL 3.07が利用可能になりました!
セキュリティや可用性および移行に関する問題の修正や、並列クエリなどにおけるパフォーマンスの向上などが含まれています。

Amazon Aurora MySQL 3.07 (compatible with MySQL 8.0.36) is generally available

 

★★EventBridge PipesのターゲットとしてTimestream for LiveAnalyticsが利用可能に

 

Database: Timestream

Timestream for LiveAnalyticsをEventBridge Pipesのターゲットとして指定できるようになりました!
Kinesis, DynamoDB, SQSなどのソースから時系列データを簡単に取り込み、リアルタイムでアプリケーションに利用できます。

Amazon Timestream for LiveAnalytics now an Amazon EventBridge Pipes target

 

Storage系

 

★FSx for Lustreの最大メタデータIOPSが15倍に増加

 

Storage: FSx for Lustre

FSx for Lustreの1秒あたりのメタデータIOPSが最大15倍に増加しました!
任意のストレージ容量でIOPSが拡張され、機械学習やHPCのワークロードにおけるパフォーマンスとコスト効率が向上します。

Amazon FSx for Lustre increases maximum metadata IOPS by up to 15x

 

Integration系

 

★★★API GatewayにおけるREST APIの統合タイムアウトが延長可能に

 

Applicattion Integration: API Gateway

API GatewayのRegional/Private REST APIにおいて、統合タイムアウトを29秒から増加できるようになりました!
生成AIユースケースに有用で、クォータ引き上げリクエストから任意の秒数をリクエストできますが、Throttle rateの引き下げが必要になる可能性があります。

※2024/6/5に引き上げリクエストを送信し、2024/6/9時点で対応待ちステータスのため、やや時間を要する可能性があります

Amazon API Gateway integration timeout limit increase beyond 29 seconds

 

Management系

 

★★★Organizationsのメンバーアカウントのメールアドレスをマスターアカウントから管理可能に

 

Management & Governance: Organizations

Organizationsの管理(または委任管理)アカウントから、メンバーアカウントのメールアドレスを更新できるようになりました!
CLI/SDK/コンソールから、各メンバーアカウントにサインインする必要なく、新しいメールアドレスを検証後に変更することができます。

Centrally manage member account root email addresses across your AWS Organization

Sunny Cloud記事:

【アップデート】Organizationsからメンバーアカウントの情報の管理が簡単にできるようになりました

 

★★CloudWatchのGetMetricData APIがCloudTrailのイベントログをサポート

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatchのGetMetricDataとGetMetricWidgetImage APIのアクティビティがCloudTrailに記録されるようになりました!
メトリクス取得イベントの呼び出し元など詳細を追跡できるようになり、運用上の問題やセキュリティおよびコンプライアンスの要件に対応します。

Amazon CloudWatch GetMetricData API now supports AWS CloudTrail data event logging

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon CloudWatch の GetMetricData イベントが CloudTrail データイベントで取得出来るようになりました

 

★★CloudWatch LogsのLive Tailがstreaming CLIをサポート

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatch LogsのLive Tailをstreaming CLIで利用できるようになりました!
AWS CLIでリアルタイムにログを表示したり検索したりすることができ、ダッシュボードやAWS外のアプリケーションで利用することが可能です。

Amazon CloudWatch Logs announces Live Tail streaming CLI support

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon CloudWatch Logs の Live tail 機能が AWS CLI からも使えるようになりました

 

Security系

 

★★Audit Managerが共通コントロールライブラリを提供

 

Security, Identity, & Compliance: Audit Manager

Audit Managerに、エンタープライズコントロールに対するリスクとコンプライアンスの評価の自動化に役立つ共通コントロールライブラリが追加されました!
AWS認定監査人による広範なマッピングとレビューに基づいた共通コントロールの定義により、コンプライアンス要件の実装や監査が簡素化されます。

Announcing the common control library in AWS Audit Manager

公式ブログ:

Simplify risk and compliance assessments with the new common control library in AWS Audit Manager

 

★★InspectorコンテナイメージスキャンがCodeCatalystとGitHub Actionsをサポート

 

Security, Identity, & Compliance: Inspector

InspectorのコンテナイメージスキャンがCodeCatalystおよびGitHub Actionsとネイティブ統合しました!
それぞれのCI/CDワークフローで、SBOM GeneratorとScan APIのプラグインを呼び出し、コンテナイメージの脆弱性を評価できます。

Amazon Inspector container image scanning is now available for Amazon CodeCatalyst and GitHub actions

 

★★Verified PermissionsがOIDCを使用したAPI Gatewayでのアクセス制御をサポート

 

Security, Identity, & Compliance: Verified Permissions

Verified PermissionsがOIDC準拠のIDプロバイダーと連携し、API GatewayのREST APIにきめ細やかなアクセス制御を適用できるようになりました!
ユーザーグループに基づいてAPIへのアクセスを制御するCedarポリシーを自動的に生成し、Lambdaオーソライザーをデプロイすることで実現します。

Amazon API Gateway customers can easily secure APIs using Amazon Verified Permissions

 

Analytics系

 

★★★OpenSearch Serverlessの最小導入コストがすべてのコレクションで半減

 

Analytics: OpenSearch

OpenSearch Serverlessの全てのコレクションタイプで最小OCUに0.5が選択できるようになりました!
インデックス作成と検索、および各レプリカによる最小OCUの合計が4から2となり、さらに開発/テスト向けにレプリカを削減し1OCUから利用できます。

Amazon OpenSearch Serverless slashes entry cost in half for all collection types

Knowledge BaseなどのRAGで用いられるVector searchコレクションに関しては、開発/テスト向けで既に最小1OCUで提供されていました!
今回はSearchとTime seriesにも適用可能になった点と、本番(レプリカあり)でも0.5OCUが選択可能になった点がアップデートとなります。

公式ブログ(Vector searchが利用できるようになった2023年12月の記事):

Amazon OpenSearch Serverless 用ベクトルエンジンが利用可能になりました

 

★★OpenSearch IngestionがMSK Serverlessからのづとリーミングデータ取り込みをサポート

 

Analytics: OpenSearch

OpenSearch IngestionがMSK Serverlessからストリーミングデータを取り込めるようになりました!
MSK Serverlessのデータをほぼリアルタイムで集計、サンプリング、異常検出に利用でき、複雑な監視や分析を伴うデータパイプラインの構築に役立ちます。

Amazon OpenSearch Ingestion now supports ingesting streaming data from Amazon MSK Serverless

 

★★Data FirehoseがSecrets Managerと統合

 

Analytics: Data Firehose

Data FirehoseがSecrets Managerと統合されました!
Redshift, Snowflake, SplunkやHTTPエンドポイントへ接続するための認証情報をSecrets Managerで管理でき、平文を使用しない安全なシークレットの保存とローテーションが行えます。

Amazon Data Firehose now supports integration with AWS Secrets Manager

 

★★EMR ServerlessがStreaming jobsモードをサポート

 

Analytics: EMR

EMR 7.1.0以降のEMR Serverlessで、Streaming jobsモードが利用できるようになりました!
高可用性を保ちながらIoTデバイスやログなどのストリーミングデータを継続的に分析でき、KafkaやKinesis Data Streamsとの連携もサポートします。

Introducing Amazon EMR Serverless Streaming jobs for continuous processing on streaming data

 

Machine Learning系

 

★★★Knowledge BasesでTitan Text Embeddings V2がサポート

 

Machine Learning: Bedrock

Knowledge Bases for Bedrockの埋め込みにTitan Text Embeddings V2が利用できるようになりました!
多言語対応や単位ベクトル正規化のほか、256/512/1,024の次元を選択でき、1,024次元と比べ512次元では99%、256次元では97%の精度を保持します。

Amazon Titan Text Embeddings V2 now available for use with Bedrock Knowledge Bases

 

★★★Amazon Q DeveloperがCLIでのインライン補完機能をサポート

 

Machine Learning: Q

Amazon Q Developer Free/Proにて、CLI上でのインライン補完機能が利用できるようになりました!
シェルの履歴をもとにリアルタイムでAIによるコマンドの候補が提案されるようになり、右矢印キーで受け入れて使うことができます。

Amazon Q offers inline completions in the command line

 

★★SageMaker Model RegistryがMLガバナンス情報をサポート

 

Machine Learning: SageMaker

SageMaker Model Registryが、特定のモデルバージョンのガバナンス情報を簡単に管理できるようになりました!
開発ライフサイクルの初めにビジネス詳細や技術メタデータをMLモデルに登録することで、ライフサイクル全体でシームレスにガバナンス情報を管理できます。

Amazon SageMaker Model Registry now supports machine learning (ML) governance information

 

★HealthImagingがEventBridgeへのイベント発行をサポート

 

Machine Learning: HealthImaging

HealthImagingがイベントをEventBridgeに送信できるようになりました!
DICOMインポートジョブや画像セットに関する状態変更のイベントをトリガーに、画像品質の評価や匿名化といったワークフローへ簡単に連携することが可能です。

AWS HealthImaging now publishes events to Amazon EventBridge

 

Business系

 

★Amazon ConnectのエージェントワークスペースがUIを一新

 

Business Applications: Connect

Amazon ConnectにおけるエージェントワークスペースのUIが新しくなりました!
直感的なインターフェイスのほか、Cloudscape Design Systemコンポーネントを利用したサードパーティアプリケーションの構築と埋め込みにも対応しています。

Amazon Connect agent workspace launches refreshed look and feel

 

★Amazon Connectの予測機能がタイムゾーンをサポート

 

Business Applications: Connect

Amazon Connectの予測機能がタイムゾーンに対応し、ローカルの時刻で表示できるようになりました!
サマータイムが適用されている地域では、EDTからESTといった変更に応じた自動切り替えに対応しています。

Amazon Connect now provides time zone support for forecasts

 

★AppFabricがJumpCloudをサポート

 

Business Applications: AppFabric

AppFabricがJumpCloudのログ取り込みに対応しました!
JumpCloudを含むSaaSアプリケーションの監査ログを集約および正規化し、ノーコードで脅威やインシデントに対応できるようになります。

AWS AppFabric now supports JumpCloud

 

Front-End系

 

★★Location Serviceが位置情報の整合性機能を強化

 

Front-End Web & Mobile: Location Service

Location Serviceに位置情報の正確性と信頼性を評価するためのツールが提供され、整合性機能が強化されました!
エリア侵入の予測ツール、Wi-Fi/携帯電話信号/IPアドレス情報による三点位置測量、詳細なジオフェンスといった機能が新しく提供されています。

Amazon Location Service launches Enhanced Location Integrity features

 

Developer系

 

★★★CodeCatalystのBlueprintをGitHub Cloudリポジトリに保存可能に

 

Developer Tools: CodeCatalyst

CodeCatalystのBlueprintのソースコード保存先に、GitHub Cloudのリポジトリを選択できるようになりました!
CodeCatalystのリポジトリを使用せずに、提供されたBlueprintおよびカスタムBlueprintを組織のGitHub Cloudで管理することができます。

Amazon CodeCatalyst now supports GitHub Cloud source code with blueprints

 

★★CodeCatalystがソースコードリポジトリとしてBitbucket Cloudをサポート

 

Developer Tools: CodeCatalyst

CodeCatalystが、Bitbucket Cloudのソースコードリポジトリを利用できるようになりました!
CodeCatalystリポジトリの利用と同様にIDEやカスタムブループリントなどの利用や、Bitbucket Cloudのイベントに基づくワークフローのトリガーが可能となります。

Amazon CodeCatalyst now supports Bitbucket Cloud source code repositories

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon CodeCatalyst に新たな拡張機能が追加され、Bitbucket Cloud リポジトリがサポートされました

 

IoT系

 

★IoT Device Managementが新しい接続メトリクス監視ダッシュボードをサポート

 

Internet of Things: IoT Device Management

IoT Device Managementに、接続メトリクスダッシュボードが追加されました!
IoT Coreを含む様々なメトリクスの統合ビューからデバイスフリートの接続パターンを簡単に識別し、運用アラームの作成や監視に役立ちます。

AWS IoT Device Management adds a unified connectivity metrics monitoring dashboard

 

Migaration系

 

★Transfer FamilyがAS2のメッセージサイズとスループットを増加

 

Migation & Transfer: Transfer Family

Transfer FamilyがApplicability Statement(AS2)プロトコルのメッセージサイズとスループットの上限を増加しました!
メッセージサイズは50MBから1GBに、スループットは1秒あたり30から100に増加しており、Service Quotaにも反映されています。

AWS Transfer Family increases message size and throughput limits for AS2

 

Cloud Finance系

 

★★AWS Tax Settings APIが追加

 

Cloud Finance: Billing and Cost Management

税務登録情報をプログラムで管理するためのTax Settings APIが追加されました!
コンソールでのみ設定できたアカウントの税務登録情報や関連する会社の正式名称および住所をAPIで設定できるようになり、作成および変更プロセスを自動化します。

AWS launches Tax Settings API to programmatically manage tax registration information

 

おわりに

 

今週もきっとどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
API GatewayやOrganizationsなど、いろいろと話題になるようなアップデートが多かったですね。

 

Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の(一部を除く)更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。