2024/5/27〜2024/6/2までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ

目次

はじめに

 

5月最終週のAWSアップデートを振り返ってみました!

 

可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!

 

ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!

アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)

 

Compute系

 

★★★Powertools for AWS Lambda(Python)がAgents for Bedrockをサポート

 

Compute: Lambda

Agents for Bedrockの作成を容易にする機能が、オープンソースのPowertools for Lambda(Python)に追加されました!
Agentsのアクションとして定義されるLambdaのOpenAIスキーマを自動生成し、入出力の検証など複雑な記述や設定を大幅に簡素化します。

Powertools for Lambda (Python) adds support for Agents for Amazon Bedrock

Powertoolsのドキュメント

 

★★U7iインスタンスがEC2で利用可能に

 

Compute: EC2

クラウドプロバイダ初のDDR5メモリを採用したU7iインスタンスが特定リージョンのEC2で利用できるようになりました!
最大32TiBのメモリと896 vCPUを搭載し、大規模なインメモリデータベースやLLMなどのワークロードに最適です。

Introducing Amazon EC2 High Memory U7i Instances

 

Database系

 

★★DynamoDB localがオンデマンドテーブルの最大スループットをサポート

 

Database: DynamoDB

DynamoDB localにおいて、オンデマンドテーブルと関連するセカンダリインデックスに最大スループットを設定できるようになりました!
本番環境へリリースする前に、最大スループットによるアプリケーションへの影響を検証しやすくなります。

Amazon DynamoDB local supports configurable maximum throughput for on-demand tables

 

★★RDS Custom for SQL Serverのインスタンスプロファイル作成が簡素化

 

Database: RDS

RDS Custom for SQL Server向けのインスタンスプロファイルがワンクリックで作成およびアタッチできるようになりました!
データベースの作成または復元時に名前を指定することで、必要な権限を含むインスタンスプロファイルを自動で生成できます。

One-click instance profile creation to launch an RDS Custom for SQL Server instance

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon RDS Custom for SQL Server のセットアップ時に新規インスタンスプロファイルを自動作成出来るようになりました

 

★DMS Schema ConversionにおけるOracleからPostgreSQLへの変換が改善

 

Database: DMS

DMS Schema ConversionにてOracleからPostgreSQLへ変換する際の組み込み関数が5つ追加されました!
いずれもSchema Conversionで初のAI支援による組み込み関数で、拡張パックを適用することで使用可能となります。

New Oracle to PostgreSQL built-in system functions in DMS Schema Conversion

 

★DMS ServerlessによるOracleからRedshiftへのフルロードのスループットが向上

 

Database: DMS

DMS Serverlessを使用してOracleからRedshiftへフルロード移行する際のスループットが向上しました!
最大2〜10倍高速となり、OracleからRedshiftへのフルロード操作が検出されると自動で適用されます。

Announcing AWS DMS Serverless improved Oracle to Redshift Full Load throughput

 

Integration系

 

★★EventBridge SchedulerのAPIリクエストに関するCloudWatchメトリクスが追加

 

Application Integration: EventBridge

EventBridge SchedulerのAPIリクエストレートを監視する12個のCloudWatchメトリクスが追加されました!
スケジュールやグループの作成、削除、取得、更新に関するAPIを監視し、パフォーマンスの把握やクォータ拡張の判断が行えます。

Amazon EventBridge Scheduler adds new API request metrics for improved observability

 

Management系

 

★★CloudWatchがアラーム履歴を最大30日保持するように

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatchのアラーム履歴を参照できる期間が、最大2週間から30日に延長されました!
より長い期間のアラーム履歴を保持することができ、過去のアラームの詳細や傾向を把握し、運用に役立てられます。

Amazon CloudWatch now offers 30 days of alarm history

 

Security系

 

★★WAF Bot & Fraud Controlのマネージドルールグループがバージョニングをサポート

 

Security, Identity, & Compliance: WAF

WAF Bot & Fraud Controlのマネージドルールグループにて、特定のバージョンを選択できるようになりました!
AWSによるマネージドルールグループの更新の際、ステージング環境にのみ適用することで有効性を検証し、本番環境へ安全にデプロイできます。

Introducing versioning for AWS WAF Bot & Fraud Control managed rule groups

DevelopersIO記事:

[アップデート] AWS WAF のマネージドルール Bot Control や ACFP、ATP でもバージョン指定出来るようになりました

 

★★Cognitoのユーザープールがトークンのカスタマイズをサポート

 

Security, Identity, & Compliance: Cognito

Cognitoのユーザープールにおいて、IDトークンとアクセストークンが複雑なカスタム属性に対応しました!
配列、マップ、JSONオブジェクトが利用できるようになり、きめ細やかな承認によりアプリケーションに厳密なアクセス制御を適用します。

Amazon Cognito user pools now support the ability to customize access tokens

 

★★Network Firewallによるステートフルルールのクォータが増加

 

Security, Identity, & Compliance: Network Firewall

Network Firewallで設定可能なステートフルルールのクォータが最大30,000から50,000に増加しました!
増加分はリクエストすることで反映可能で、大規模なワークロードに対して幅広いルールを実装できます。

AWS Network Firewall increases quota for stateful rules

 

Analytics系

 

★★QuickSightがテーブルの複数列ソートをサポート

 

Analytics: QuickSight

QuickSightのTablesにて、複数列でのソートができるようになりました!
新しいポップオーバーから設定でき、列Aのソートを保持したまま列Bや列Cのソートが可能となり、表の可視性が向上します。

Amazon QuickSight launches multi column sorting for Tables

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon QuickSight テーブルビジュアルが複数フィールドの並び替えをサポートしました

 

★MSKがApache Kafka 3.7をサポート

 

Analytics: MSK

MSKでKafka 3.7が利用可能になりました!
リーダー検出の最適化、ログセグメントフラッシュの最適化を含む新機能やバグ修正が含まれています。

Amazon MSK adds support for Apache Kafka version 3.7

 

★MSKが新規クラスターでKRaftモードをサポート

 

Analytics: MSK

MSKがKafka 3.7にてKRaftモードでクラスターを作成できるようになりました!
クラスターのメタデータがKafkaコントローラーのグループ内で伝播され、最大60のブローカーを追加することができるモードです。

Amazon MSK launches support for KRaft mode for new Apache Kafka clusters

 

Machine Learning系

 

★★★BedrockにConverse APIが追加

 

Machine Learning: Bedrock

Bedrockのモデルを呼び出す新たなAPIとしてConverseおよびConverseStreamが追加されました!
モデル固有のパラメータを包含してマルチターンの会話を簡素化するほか、特定モデルでTool use(function calling)をサポートします。

Amazon Bedrock announces new Converse API

チュートリアル(JavaScript)

ドキュメント(Pythonの例あり)

 

★★★PartyRockにDocumentウィジェットが追加

 

Machine Learning: Bedrock

PartyRockのウィジェットにDocumentが追加されました!
12万文字までのドキュメントファイルをアップし、既存または新規の生成AIアプリケーションと統合することで、アイデアを拡張できます。

Introducing the Document widget for PartyRock

 

★★Claude 3 SonnetとHaikuがフランクフルトリージョンのBedrockで利用可能に

 

Machine Learning: Bedrock

Claude 3 SonnetおよびHaikuの各モデルが、フランクフルトリージョンのBedrockに追加されました!
欧州ではパリに引き続き2箇所目で、Claude Instantや2よりも価格パフォーマンスに優れたモデルをアプリケーションに適用できます。

Claude 3 Sonnet and Haiku now available in Amazon Bedrock in the Europe (Frankfurt) region

 

★★SageMaker Canvasのスタートアップ時間が最大10倍高速化

 

Machine Learning: SageMaker

SageMaker Canvasの起動時間が最大10倍高速になりました!
1分以内にCanvasを起動し、ノーコードでの機械学習ワークロードを開始することができます。

Amazon SageMaker Canvas announces up to 10x faster startup time

 

Business系

 

★★Amazon Connectがコンタクトセンター向けのZero-ETLなデータレイクを提供

 

Business Applications: Connect

Amazon Connectがコンタクトレコードやインサイトなどを保管する分析データレイクをリリースしました!
独自のカスタムレポートを作成できるほか、AthenaやQuickSightなどのサードパーティソースからZero-ETLでアクセスし、更なる分析が行えます。

Amazon Connect provides Zero-ETL analytics data lake to access contact center data

 

★★Amazon ConnectがApple Messages for Businessをサポート

 

Business Applications: Connect

Amazon Connect ChatがApple Messages for Businessに対応しました!
iOSなどAppleデバイスと統合し、電話番号を選択するだけでチャットが開始でき、シームレスなConnect Chatの機能を提供します。

Amazon Connect now supports Apple Messages for Business

 

★Supply Chain Lead Time Insightsが変動に対するサポートを強化

 

Business Applications: Supply Chain

Supply Chain Lead Time Insightsがリードタイム偏差の予測を迅速に特定できるようになりました!
契約上のリードタイムと実際のリードタイムの偏差を詳細なレベルで特定し、新鮮なデータにより予測精度の向上と計画サイクルの更新に役立ちます。

AWS Supply Chain Lead Time Insights enhances the support for data variability

 

Front-End系

 

★★★AppSyncが非同期でLambdaを実行可能に

 

Front-End Web & Mobile: AppSync

AppSyncがイベント駆動で非同期にLambdaを実行できるようになりました!
GraphQL APIがLambdaの完了を待たずに応答するようになるため、生成AIによる推論など長時間実行される操作やバッチ処理に最適です。

AWS AppSync now supports long running events with asynchronous Lambda function invocations

 

End User系

 

★AppStream 2.0のマルチセッションフリートがWindows Server 2022とリアルタイムオーディオをサポート

 

End User Computing: AppStream 2.0

AppStream 2.0のマルチセッションフリートがWindows Server 2022とリアルタイムオーディオに対応しました!
最新のOSを活用できるほか、AppStream 2.0セッションを終了せずに音声会議ツールが利用でき、チームのコラボレーションが改善されます。

Real-time audio and Microsoft Server 2022 support are now available on Amazon AppStream 2.0 multi-session fleets

 

Developer系

 

★【Preview】AWS SDK for SAP ABAP – BTP editionが利用可能に

Developer Tools: SDK for SAP ABAP

AWS SDK for SAP ABAP – BTP(Business Technology Platform) editionがプレビューリリースされました! SAPのRISEおよびGROW製品を利用しているBTPユーザーが、あらゆるAWSサービスにアクセス可能なアプリケーションを作成することができます。

Announcing preview of the AWS SDK for SAP ABAP – BTP edition

 

その他

 

★MarketplaceがAMI年間契約の修正をサポート

 

Others: Marketplace

Marketplaceで購入したAMI製品の年間契約を修正できるようになりました!
AMIを使用するEC2のインスタンスタイプを変更または追加する必要がある場合に、新しい契約を行わず現行の契約を変更することで対応することができます。

AWS Marketplace announces amendments for AMI annual agreements

 

おわりに

 

今週もきっとどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
米国の祝日があった分アップデートの数は少なめですが、Bedrockを中心に気になるものがいくつもありましたね。

 

Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の(一部を除く)更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。