2024/3/11〜2024/3/17までのAWSアップデートを振り返ってみた #しむそく #しまがじ

目次

はじめに

 

3月第3週のAWSアップデートを振り返ってみました!

 

可能な限りアップデートの内容を理解してまとめていますが、若干知識の浅いサービスや分野はコメントが軽めとなることがあります。ご了承ください。
一部のアップデートにおいて、AWS公式のブログと、各企業ブログなどへのリンクを参考として掲載しています!

 

ジャンルごとに大別しつつ、個人的に注目度が高いほど★を増やしています。
アツいアップデートだけ流し読みしたい場合は★★や★★★を追っていきましょう!

アップデートの見出しは日本語訳しています!(時期によっては既に日本語の記事が出ているものもあります)

 

Compute系

 

★★★AMIの作成およびコピー時にタグ付け可能に

 

Compute: EC2

AMIをEBSから作成するときやコピーするとき、同時にタグ付けができるようになりました!
作成またはコピー後に手動またはカスタムスクリプトの使用でタグ付けする必要が無くなり、タグ制御の即時適用と管理オーバーヘッドの削減が見込めます。

Amazon EC2 now supports tagging when registering or copying AMIs

 

★★AWS BatchがRUNNABLE状態でスタックしたジョブを検出するアラームをサポート

 

Compute: Batch

AWS Batchが、RUNNABLE状態でスタックしたジョブに対するBatch Job Queue Blocked CloudWatch Eventを発行するようになりました!
RUNNABLEのまま停止したジョブとその理由を通知し、定義したアクションを実行したり、ジョブを終了したりすることができます。

AWS Batch now supports alerts to detect and react to jobs stuck in RUNNABLE state

 

★ParallelCluster 3.9がリリース

 

Compute: ParallelCluster

ParallelCluster 3.9が利用可能となりました!
Red Hat Enterprise Linux 9およびRocky Linux 9がサポートされ、動的で無停止なクラスターサイズの変更やユーザー定義のファイルシステムのマウント、デフォルトユーザーのsudo無効などの機能が追加されています。

AWS ParallelCluster 3.9 with support for RHEL 9, Rocky Linux 9 and dynamic cluster capacity updates

DevelopersIO記事:

AWS ParallelCluster 3.9.0 で Slurm Queue の設定変更のためにコンピュートフリートを停止しなくて済むようになりました

 

Database系

 

★★DynamoDB localがJetty 12とJDK 17にアップグレード

 

Database: DynamoDB

DynamoDB localが2.3.0となり、Jetty 12およびJDK 17にアップグレードされました!
Jetty 12でサポートされているSpring Boot 3.2.xを利用し、DynamoDB localを組み込んだSpringアプリケーションを開発およびテストすることができます。

Amazon DynamoDB local upgrades to Jetty 12 and JDK 17

 

★★Timestream for InfluxDBが利用可能に

 

Database: Timestream

Timestream for InfluxDBがGAとなりました!
要求の厳しい時系列ワークロードに対応するInfluxDBの2.7リリースの機能がマネージドで利用可能で、既存のInfluxDBからバックアップ&リストアで移行でき、マルチAZによる高可用性などを提供します。

Amazon Timestream for InfluxDB is now generally available

 

★RDS for Db2がX2iednを利用可能なリージョンを拡大

 

Database: RDS

RDS for Db2でX2iednインスタンスが利用可能なリージョンが拡大され、東京と大阪でも対応しました!
第3世代Intel Xeonスケーラブルプロセッサ(Ice Lake)を搭載し、メモリ集中型で高スループットの書き込みを行うワークロードに適しています。

Amazon RDS for Db2 expands support for X2iedn instances in additional regions

 

★RDS for SQL Serverがマイナーバージョン2019 CU25と2022 CU11をサポート

 

Database: RDS

RDS for SQL Serverにて、マイナーバージョン2019 CU25および2022 CU11が利用可能になりました!
Express, Web, Standard, Enterpriseいずれのエディションで適用でき、パフォーマンスの強化とセキュリティの修正が提供されます。

Amazon RDS for SQL Server supports minor version 2019 CU25 and 2022 CU11

 

Network系

 

★★★ALBがHTTPのクライアントKeepAlive期間を設定可能に

 

Networking & Content Delivery: ELB

ALBがHTTPクライアントとの間のKeepAlive期間を60秒〜7日(デフォルト3,600秒)に設定可能になりました!
Blue/Greenやロールバック、ゾーンシフト、移行時などの正常な接続終了や、SSL/TLSハンドシェイクのオーバーヘッド削減に有用です。

Application Load Balancer enables configuring HTTP client keepalive duration

 

Storage系

 

★★★EFSのスループットが最大20GiB/sに向上

 

Storage: EFS

EFSのElastic Throughputモードにおけるスループットが東京を含む5リージョンで向上しました!
読み取りスループット:10GiB/s(東京は3GiB/s)→20GiB/s
書き込みスループット: 3GiB/s(東京は1GiB/s)→ 5GiB/s
にそれぞれ増加しています。

Amazon EFS now supports up to 20 GiB/s of throughput

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon EFS エラスティックスループットモードの最大スループットが向上しました、遂に東京リージョンも対象に

 

★★AWS BackupがEBS Snapshots Archiveの復元テストに対応

 

Storage: Backup

AWS Backupにて、EBS Snapshots Archiveに対する復元テストがサポートされました!
標準のEBSや他のリソースと同様に、復元ジョブの所要時間を測定することが可能となり、リカバリに関する要件の適合性を確認できます。

AWS Backup now supports restore testing for Amazon Elastic Block Store (EBS) Snapshots Archive

 

★★Mountpoint for S3のCSIドライバーがBottlerocketをサポート

 

Storage: S3

Mountpoint for S3のContainer Storage Interface(CSI)ドライバーが、Linuxベースのコンテナ向けOSであるBottlerocket 1.9.2以降に対応しました!
EKSなどのKubernetesクラスターがS3バケットにアクセスできるようになり、Bottlerocketの低い管理オーバーヘッドなどと共に、S3による高いスループットの恩恵を得られます。

Mountpoint for Amazon S3 CSI driver now supports Bottlerocket

 

★★S3 Connector for PyTorchがPyTorch Lightningを使用したチェックポイントの書き込みをサポート

 

Storage: S3

S3 Connector for PyTorchが、PyTorch Lightningを使ったモデルのチェックポイントをS3へ書き込んで保存できるようになりました!
EC2ストレージに保存するよりも最大40%高速となり、全体的なトレーニングの短縮となることでコストとパフォーマンスが向上します。

Amazon S3 Connector for PyTorch now supports writing checkpoints with PyTorch Lightning

 

★S3 on OutpostsがオブジェクトAPIリクエストのレイテンシーを短縮

 

Storage: S3

S3 on OutpostsがIAMのアクセス許可をキャッシュするようになり、オブジェクトへのAPIリクエストのレイテンシーが短縮されました!
10分間有効なキャッシュを用いて、親リージョンでの認証認可にかかる往復のレイテンシーが省略され、リクエストのパフォーマンスが向上します。

Amazon S3 on Outposts reduces first-byte latencies for object API requests

 

Management系

 

★★★★CloudFormationのリソース作成が最大40%高速化

 

Management & Governance: CloudFormation

CloudFormationにて、リソースの作成が最大40%速くなりました!
新たにイベントCONFIGURATION_COMPLETEが追加され、他に依存するリソースの前段リソースが構成完了し安定化した時点で並行して作成を開始するOptimisticな戦略を採用することで高速化を実現します。

Experience up to 40% faster stack creation with AWS CloudFormation

公式ブログ:

How we sped up AWS CloudFormation deployments with optimistic stabilization

DevelopersIO記事:

[アップデート] CloudFormation に”CONFIGURATION_COMPLETE”のイベントを追加、スタック作成が最大 40% 高速に

 

★★★CloudFormationがスタックの新しい検証チェックにより開発とテストを効率化

 

Management & Governance: CloudFormation

CloudFormationがスタックの作成および更新時における検証を効率化しました!
テンプレートに無効なプロパティがないかをプロビジョニング前に検証しエラーを返すことで、失敗フィードバックを早期に受け取り、開発やテストが高速化します。

AWS CloudFormation accelerates dev-test cycle with new validation checks for stack operations

DevelopersIO記事:

[アップデート] CloudFormationがデプロイ前にリソースの無効なプロパティ値とプロパティ名を検証するようになりました

 

★★CloudWatch Container InsightsがEKS上のNVIDIA GPUに対する可観測性を提供

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatch Container Insightsが、EKSのNVIDIA GPUに対する可観測性をサポートしました!
健全性とパフォーマンスメトリクスを自動検出し、AI/MLワークロードにおけるジョブのパフォーマンス維持と問題の早期解決に貢献します。

CloudWatch Container Insights now delivers observability for NVIDIA GPUs on EKS

 

★CloudWatch Syntheticsがカナリア実行に関する最大30日間の履歴データをサポート

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatch Syntheticsが実行するカナリアの成功または失敗の履歴データの参照が、従来の最大7日から最大30日に拡張されました!
カナリア実行のスクリーンショット、HARファイル、ログファイルなどが対象で、トラブルシューティングや分析に利用しやすくなります。

Amazon CloudWatch Synthetics now supports 30-day historical data on canary runs

 

★CloudWatch SyntheticsがNodeJS runtime 7.0よPython runtime 3.0をリリース

 

Management & Governance: CloudWatch

CloudWatch Syntheticsに、NodeJS runtime 7.0(syn-nodejs-puppeteer-7.0)とPython runtime 3.0(syn-python-selenium-3.0)が提供されました!
NodeJS版ではpuppeteerとChromium、Python版ではChromiumとChromedriverの依存関係のアップデートが含まれます。

Announcing Synthetics NodeJS runtime version 7.0 and Synthetics Python runtime version 3.0 for Amazon CloudWatch Synthetics

 

★Launch WizardがSAP S/4HANA FoundationとS/4HANA 2023の自動デプロイに対応

 

Management & Governance: Launch Wizard

Launch Wizardがデプロイを自動化できるアプリケーションに、SAP S/4HANA FoundationとS/4HANA 2023が追加されました!
SAP HANA, SAP NetWeaver, SAP BW/4HANA, SAP BW/4HANAと併せ、SAPワークロードのAWSへの展開を簡単に行えます。

Automate deployment of SAP S/4HANA Foundation and S/4HANA 2023 on AWS

 

Security系

 

★★Verified Permissionsが認証APIのデフォルトクォータを増加

 

Security, Identity, & Compliance: Verified Permissions

Verified Permissionsにて、IsAuthorizedおよびIsAuthorizedWithToken APIのデフォルトクォータが30TPSから200TPSに増加しました!
プリンシパルのALLOW/DENYなどの情報を取得しやすくなり、ゼロトラストに基づくユーザーアクションの承認を継続的に実施できるようになります。

Amazon Verified Permissions increases default quotas for authorization APIs

 

Analytics系

 

★★EMR ServerlessがジョブワーカーごとのメトリクスをCloudWatchに発行

 

Analytics: EMR

EMR Serverlessの各ジョブワーカーに関するメトリクスをCloudWatchで確認できるようになりました!
emr-serverless-samples Gitリポジトリのダッシュボードをデプロイすることで、Apache SparkおよびHiveの各ジョブワーカーに関するパフォーマンスを取得可能となり、ボトルネックの特定が容易になります。

Amazon EMR Serverless introduces per job worker allocation and usage metrics with Amazon CloudWatch

 

★MSK ReplicatorがKafkaトピック上の既存データのレプリケートをサポート

 

Analytics: MSK

Managed Streaming for Apache Kafka(MSK) Replicatorが、Kafkaクラスターのトピックにおける既存データをレプリケートできるようになりました!
さらにトピックの最初からのデータでレプリケートでき、データ損失リスクを抑え、他のMSKクラスターへの移行やバックアップを容易にします。

Amazon MSK Replicator now supports replicating existing data on Kafka topics

 

Machine Learning系

 

★★★★Claude 3 HaikuモデルがBedrockで利用可能に

 

Machine Learning: Bedrock

Claude 3 HaikuモデルがBedrockのバージニア北部およびオレゴンリージョンで利用できるようになりました!
Opus, Sonnetと比べ高速かつ安価なモデルで、対話やコールセンターなどリアルタイム性が求められる場合や、ワークフロー内の単純なタスク処理に最適です。

Anthropic’s Claude 3 Haiku Model now available on Amazon Bedrock

公式ブログ:

Anthropic’s Claude 3 Haiku model is now available on Amazon Bedrock

KAG Qiita記事:

高速&格安なのに賢いClaude 3 Haikuが登場!Bedrockにも来ました

DevelopersIO記事:

Amazon Bedrockで Claude 3 Haiku を試してみた

 

★★SageMaker CanvasでTimeseries予測とFMのファインチューニングの運用が利用可能に

 

Machine Learning: SageMaker

SageMaker CanvasのモデルレジストリにTimeseries予測モデルとファインチューニングされたFMが追加されました!
Canvasに構築されたモデルを簡単に本番環境へデプロイしたり、CI/CDプロセスに組み込んでレビューを通すことで安全なプロセスを確立したりできます。

Operationalize forecasting models and Fine-tuned FMs with SageMaker Canvas

 

Developer系

 

★★Fault Injection Serviceが試行に対するターゲットプレビューをサポート

 

Developer Tools: FIS

Fault Injection Service(FIS)が、試行を行う前にターゲットリソースをプレビューし、設定が適切かを確認できるようになりました!
API応答で試行のテンプレートやアクションのARNを返すほか、ターゲットのリソースARNを決定でき、試行を実施することで対象となる全体の規模が把握できます。

AWS Fault Injection Service announces target preview for experiments

DevelopersIO記事:

[アップデート] AWS FIS で実験テンプレートのターゲットをプレビュー出来るようになりました

 

Business系

 

★★SESが送信メール認証を満たすためのガイドを提供

 

Business Applications: SES

SESが、GmailやYahoo Mailなどに対する送信メールの認証要件に対応するためのガイドウィザードを提供しました!
SPF, DKIM, DMARCの各種認証に関する詳細情報と、それぞれを満たすための手順や追加すべきDNSレコードが示されます。

Amazon SES now provides guided onboarding to achieve fully authenticated sending

DevelopersIO記事:

[アップデート] Amazon SES でメールアドレスと送信ドメインのセットアップガイドラインが提供されるようになり、開始時に必要なステップがわかりやすくなりました

 

End User系

 

★CloudWatchの自動ダッシュボードでWorkSpacesインスタンスを監視可能に

 

End User Computing: WorkSpaces

WorkSpacesインスタンスをCloudWatch自動ダッシュボードで監視できるようになりました!
事前に構築されたダッシュボードにより、すぐにWorkspaceインスタンス状態を把握したり、簡単にアラームを追加したりすることができます。

Monitor Amazon WorkSpaces instances via CloudWatch Automatic dashboard

 

その他

 

★Marketplace Resale Authorization向けのサービスリンクロールが追加

 

Others: Marketplace

Marketplaceが、販売者のResale Authorizationを共有して受け入れるために必要なサービスリンクロールを提供しました!
独立系ソフトウェアベンダー(ISV)がResale Authorizationを共有、またはチャネルパートナーがISVからResale Authorizationを受け入れるいずれのアクションにも必要なロールです。

Introducing Service-linked role for AWS Marketplace Resale Authorization

 

おわりに

 

今週もおそらくどこよりも早いアップデートまとめをお送りしました!
BedrockのClaude 3にHaikuも追加されたり、CloudFormationがより便利になったりと、今週も盛りだくさんでしたね!

 

Twitterアカウントでは可能な限り日々のアップデートを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください!
ハッシュタグ #しむそく も2023/10/20以降の更新に付与しています!流し読みしたいときにどうぞ。
(2月4週を除く)