ホワイトシマリスを知ろう!その2「ホワイトシマリスはどうして白いの?」
はじめに
↑アルタというホワイトシマリスを飼っています、SimStaです。
良かったらTwitterも見ていってくださいね。
ホワイトシマリスのアルタ(@alta_whitechip)
さて、かなり間が空いてしまいましたが、前回は「ホワイトシマリスとアルビノシマリスは別種です!」という話をしました。
今回は更に踏み込んで、「どうしてホワイトシマリスは白いの?」といった部分、言わば発色のメカニズムについて説明しようと思います。
シリーズのおさらいです。
- ホワイトシマリスとは?アルビノじゃないの?
- ホワイトシマリスが白いのはなんで? ⇐この記事
- ホワイトシマリスと眼の色
- 日本のシマリスたちとホワイトシマリス
- シマリスのシマシマのひみつ
このような流れで進んでいく予定です。
なお、可能な限り信頼できるソースからの情報をもとにしていますが、あまり研究例が多くない世界ということもあり、推測を含む記述や、不適切な記述が含まれる可能性がございます。
お手数ですが、より詳しい、またはより正確な情報をお持ちでしたら、ご連絡頂けると非常に助かります。
身体の色を決める色素
人間やシマリスなどの哺乳類や鳥類の多く(明確な分類はありません)は、身体の色の表現にメラニンという色素が強く関わっています。
名前だけなら聞いたことがあるかも?
皮膚、毛、眼などの色はメラニンによって決まります。
そばかす、シミ、ホクロや、日焼けで黒くなるのもメラニンのおかげ(しわざ?)ですね。
実はメラニンにはユーメラニンとフェオメラニンの2種類があります。それぞれ、
ユーメラニン:黒〜褐色
フェオメラニン:赤〜黄色
を表しており、この2つの色素がどのくらいの比率で作られるかで色が決まっていきます。
人間の髪の色でいえば、黒髪であるほどユーメラニンが多く、金髪であるほどフェオメラニンが多い、といった具合ですね。
眼の色などはメラニンの比率以外にも理由があるのですが、それは次回にでも。
色素はどうやってつくられる?
さて、メラニンはどこで、どうやって生成されるのでしょうか?
通常のシマリスを例に説明します。
皮膚などには、「メラニン色素細胞(メラノサイト)」と呼ばれる細胞が存在します。
その中は、メラニンのもととなる「チロシン」という物質が入っています。
メラニン色素細胞は貯蔵庫みたいなものですね。
チロシンは「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素により反応し、道中なんやかんやあってユーメラニンまたはフェオメラニンが作られます。
なんやかんやは…なんやかんやです!
(もっと複雑になってしまうのでここでは取り上げません)
分かりやすくざっくり図にするとこんな感じ。 「チロシナーゼはなんやかんやするためのもの」と思ってもらってオッケーです。
アルビノシマリス(アルビノ種)の場合
お待たせしました。
結局、アルビノシマリスとホワイトシマリスはどう違うのでしょうか?
多くの場合、アルビノ種はメラニン色素細胞かチロシナーゼを持っていません。
そのため、チロシンからメラニンを作ることができず、普通のシマリスのように茶褐色の身体になれないのです。
これは先天的な遺伝子の欠損や異常に基づくものとされています。
もちろんなんやかんやもできません。
ホワイトシマリス(白変種)の場合
それではホワイトシマリス(白変種)はというと、通常のシマリスと同じようにメラニンを生成することができます!
ただし、通常のシマリスは濃い色のユーメラニンを多く作るのに対し、ホワイトシマリスは薄い色のフェオメラニンを多く作ります。
そういうふうに遺伝子が指示しているんですね。
結果として、ちょっとクリーム色っぽい白色に、ちょっと濃いクリーム色のシマシマという身体になるわけです。
まとめ
3種類のシマリスについて、身体の色の違いを整理してみました。
こう見ると全然違いますね!
おわりに
今回はホワイトシマリスとアルビノシマリスについて、見た目だけでなくメカニズムからどのように異なるかを説明してきました。 できるだけ理解しやすいように記述したつもりですが、少し用語が多くなり難しくなってしまったかもしれません。ごめんなさい!
さて、前回も今回も、「眼の色」についてはちょっとだけ触れておきつつ説明しませんでした。
次回は、
- ホワイトシマリスでも眼が赤く見えるのはどうして?
- たまに青い眼をした人間や猫がいるけど、どういった仕組みなの?
といった疑問について説明していきたいと思います。
お楽しみに!
参考となったサイト
https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/1742
https://www.sciencedirect.com/topics/veterinary-science-and-veterinary-medicine/albinism
https://www.dolphinproject.com/blog/albinism-and-leucism-origins-and-differences/
https://files.dnr.state.mn.us/mcvmagazine/young_naturalists/young-naturalists-article/albino_animals/albino_animals.pdf
⇛ちょっとだけアルビノなシマリスの写真があります!
元々は通常色の遺伝子を持っているので、薄い茶色の身体になっています。